あす=28日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで飼育されているパンダ4頭が中国に返還されます。
再びパンダがやってくる可能性はあるのか。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、政治ジャーナリストの青山和弘さんは、取材に政権幹部が「日中首脳会談が行われていればパンダが残っていた可能性がある」と語ったことを明かしました。
そして「首脳会談で石破首相がお願いすれば戻る可能性はあるが、その時は日本側が何か妥協する必要があるかもしれない」とも指摘し、パンダが中国にとって強力な外交カードであることを指摘しました。
■「日中首脳会談開いて石破さんがお願いすれば戻ってくる可能性 ただ…」
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「中国にとってパンダは、完全に外交カードなんですね。今回もなぜ、こうやって戻らなきゃいけなくなったかっていうと、もちろん期限が切れたんですが、”期限の前に日中首脳会談が行われていれば、残った可能性はある”って、私は政権幹部に聞きました。
ただ、いま日中首脳会談って開けないので、期限切れたら逆に戻すしかない。たとえ和歌山で生まれたパンダでもですね。
だからこれから、もし習近平さん(国家主席)と李強さん(首相)、この2人だけ決定権があるので、その2人と石破さんが会談して、石破さんがお願いすれば、白浜かどうかわからないんですけど、戻ってくる可能性はある。
ただそのときは日本が何か妥協しなきゃいけないかもしれないということですね。本当に外交カードなので、これなかなか難しいなと思いますね」
■トランプ大統領の「向き合い」で日中首脳会談「開けない」ことが影響か
ここで社会学者の古市憲寿さんが、「石破政権は中国とこれまでの政権よりも近いイメージがあるんですけど、なぜこの近い政権のときにパンダ返されちゃうんですか?」と質問しました。青山さんの回答は。
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「今はトランプさん(アメリカ大統領)と向き合っていて、トランプさんはやっぱり中国に対して厳しい姿勢を見せているので、今(日中)首脳会談がなかなかできない。
ただ石破さんは、確かに中国にも割と親しい姿勢を見せていますから、首脳会談をやれば、私はその(パンダが日本に来る)可能性も出てくると思います。
ただやはり、トランプさんと向き合っている中で、あんまり甘い顔を見せられないっていう、非常に難しいバランスの中で『どうなるか?』ということですね」
■「国民の心をつかんでいる パンダカードの威力は大きい」
【社会学者 古市憲寿さん】「パンダのために、そんな日本がいろいろ差し出すというのもちょっと何か思うところがあるんですけど」
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近したりとか、そういう問題もありますから、なかなか難しい状況ではないですかね」
【青木源太キャスター】「国益かパンダかと聞かれたら、国益のが大事なのは言うまでもないですからね」
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「ただ国民の心を掴んでいるじゃないすか。これやっぱり大きいんですね。パンダのカードの威力は」
■「外務大臣が行くとか幹事長が行ったぐらいでは戻ってくることはない」
アメリカ・ワシントンでは、おととしパンダを3頭中国に返還し、ゼロになりましたが、1年後の去年には、中国から新たにパンダ2頭が貸与されたという例もありました。
この例からすると、短いスパンでパンダが戻ってくることはあるのでしょうか?
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「十分考えられると思います。ただ本当にその時の情勢次第ですね。ただ外務大臣が行くとか幹事長が行ったぐらいでは、戻ってくることはないということだけは確かですね」
これだけ日本でパンダが生まれてちゃんと成長しているということを、中国が「よくやってくれた」と評価して戻ってくるようなことはないのでしょうか?
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「一言で言えば、中国はそんな国じゃない。甘くないっていうことですね」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年6月27日放送)