山陰の温泉施設で基準値超えの検出が相次いだレジオネラ菌。
最近良く耳にしますが、いったいどんな菌なのか、感染症対策のエキスパートに聞きました。実は家庭にも危険が潜んでいます。
山陰の温泉施設で相次いで検出された「レジオネラ菌」なぜ確認が続いているのか、注意すべきポイントは?気になるギモンを感染症のエキスパートで安来市医師会診療所の成相昭吉医師に聞きました。
気になるギモンその1「どんな菌?どんな症状?」
安来市医師会診療所 成相昭吉医師:
普遍的に自然界にいる細菌。
水そのものではなく微粒子になったエアロゾルを吸い込むことで起こる肺炎。
土の中や川、水たまりなどどこにでもいる菌ですが、増殖して汚染された水のしぶきを吸い込むことでレジオネラ症を発症します。
肺炎を引き起こすほかの菌と比べて注意点があるといいます。
安来市医師会診療所 成相昭吉医師:
(レジオネラ菌は)進行が早い肺炎が起こるという原因菌。
後手に回ると進行が早い点で命取りになる高齢者や喫煙者、基礎疾患を持っている人は重症化のリスクが高く、毎年のように死亡例が報告されています。
温泉施設での検出が目立ちますが、それには理由があるといいます。
気になるギモンその2「増殖する原因は?」
安来市医師会診療所 成相昭吉医師:
もともと20℃から50℃という適温がある。特に36℃くらいが増殖に適している。
「レジオネラ菌は温泉好き!」ともいえるほど、温泉施設には菌が増殖する環境が整っているといいます。
お湯の温度のほかにも、ろ過装置を使用しお湯を循環させるタイプの温泉施設では、循環配管が汚染されていれば、ろ過装置自体が菌の供給源となってしまいます。
5月以降、基準値以上のレジオネラ菌が検出された山陰の2つの温泉施設も、この「循環式浴槽」でした。
ここでさらに気になる疑問が…。
気になるギモンその3「注意するのは温泉施設だけ?」
安来市医師会診療所 成相昭吉医師:
家庭でも危険性があるわけです。
おうちだと追い焚き機能付きの浴槽で、うまく掃除が行き届かないと、ぬめり、バイオフィルムが生じると菌がはびこるということがある。
家庭にも危険が潜んでいます。
自宅の風呂でも何回も同じ水で追い焚きを繰り返すと、汚染された水が配管内を循環・停滞することになり、レジオネラ菌が増殖するリスクが高くなります。
安全なお風呂ライフのためにはお湯は毎日取り替える、月に1回は洗浄剤などを使って配管をきれいにするなど清潔に保つことが重要です。