金属価格の高騰を背景に、エアコンの室外機などが盗まれる被害が急増していることを受け、警察庁は古物営業法施行規則の一部を改正し、エアコンの室外機や電線、道路の側溝にかぶせる金属製のふたが買い取り業者に持ち込まれた際、売りにきた人物への本人確認を義務化する方針を決めました。

銅などが含まれる電線やエアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、道路の側溝にかぶせる金属製の蓋といった「グレーチング」が盗まれる被害が年々増加しています。これ受け警察庁は、古物営業法施行規則の一部を改正し、買い取り業者に対し、これらが取引される際は、金額に関わらず売却者への本人確認を義務づける方針を決めました。

現行法では、1万円未満の取引については本人確認の義務はありませんが、盗難被害が多いオートバイやコンピューターゲームソフト、CD・DVDや書籍は金額に関わらず本人確認が義務付けられています。

電線の窃盗被害は去年初めて1万件を超え、1万1486件に上っているほか、エアコンの室外機の窃盗被害も去年3397件に上り、4年前の255件から大幅に増えています。銅などの金属価格が高騰していることを背景に、被害は深刻化しています。

この改正について警察庁はあす27日から意見募集を行い、10月1日に施行する方針です。

また外国人犯罪グループによる太陽光発電施設を狙った銅線ケーブル窃盗の被害が深刻化していることを受け、今月「金属盗対策法」が成立しました。

この新たな法律では、ケーブルの切断に使う特定の工具を隠し持つことを禁止しています。警察庁はこの工具について新たに次のように政令で定めました。

ケーブルカッターについては▼長さ45センチメートル以上▼ラチェット機構を備えている▼電気装置または油圧装置を備えているものいずれかに該当するもの

ボルトクリッパーについては▼長さ75センチメートル以上▼電気装置または油圧装置を備えているものいずれかに該当するもの

違反した場合は「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」となります。

警察庁はこの政令案についてもあす27日から意見募集を行い、9月1日に施行する方針です。

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