鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。

【野川アナ】
「イヤー物は言ってみるものですねえ。今回は不可能と思われた取材が実現!鉄道の聖地へと向かいました。それでは…出発進行!

《VTR》
「さあということで、広島を飛び出しまして、私、とある場所にやってまいりました。はい。えー、どこにいるかと言いますと、私の背景がヒントでございます。
これで『どこかわかったよ!』という方、相当な鉄ちゃんでございますよ。
私は京都にやってまいりました。
京都鉄道博物館でございます。
鉄道ファンであるならば、一度は来たいという。
ではなぜ私がきょう、この京都鉄道博物館に来ているかといいますと。
実は私たち、広島で暮らしている人間がですね、よく見られているとある車両が、この京都にやってくると…「てつたま」としては『行くしかない!』
で、もう間もなくですね、その車両、列車がここ鉄道博物館の方にやってくるということで…どこにやってくるんでしょうね。
「てつたま」イン京都、スタート!」

京都鉄道博物館の館内へと通ずる留置線に姿を見せた車両、それは…

【野川アナ】
「レッドウィングが京都にきたー!」

広島エリアの主力列車、227系レッドウィングです。
227系は国鉄民営化後初めて広島エリアに導入された新型車両で、今年、記念すべき運行開始10周年を迎えました。
今回それを記念したラッピングが実施されることがリリースされ、休館日に行われるラッピング作業は『見学できません』とのことでした…が!ダメもとでお願いしたところ…なんと!なんと!『てつたま』にだけ撮影の許可が出ちゃいました!
レッドウィングが電気機関車にゆっくりと押され、京都鉄道博物館の中の作業現場へと到着しました。

【野川アナ】
「さて、私が今いるのがですね。車両工場と言われる博物館の中の区画なんですが、ご覧ください。我らがレッドウィングですね。今、こちらに置かれて。ラッピングの作業中でございます。戸袋のところですけども、10周年記念のロゴが今、仮止めされてますね」

車両のラッピングはデザインが事前に公開されることが多いのですが、今回は完成するまでのお楽しみ。
現場作業を管理するのは土屋さんです。

【野川アナ・関西工機整備 印刷事業部 土屋光寿係長】
「今回のラッピングですけども、どういったデザインになるんでしょう?」
「運行から10周年を迎えるということで、『10』を意識したデザインになっております」
「10を意識したデザイン。数字の10?」
「数字の10」
「えー!」

ラッピングのために用意された時間は、博物館が休館日のこの日だけ。
わずか1日で完成させなくてはなりません。
作業員は手際よく、そして丁寧に仕上げていきます。

【野川アナ】
「さっきあの車体の反対側も見てきましたけど、ちょっとこちら側を見るとですね、ラッピングがダメージを受けていることがわかります。これJRの方に伺ったんですが、こちらがですね、海側に面してしていつも走っている。潮風。この影響を受けて、やはりこちらちょっとダメージを受けるのが非常にスピードが早いんだそうです。日もこちらからね、ガンガン当たるということで。毎日ね、本当に走ってくれているからこその名誉の勲章みたいな感じがしますけども」

ラッピング作業は着々と進み…車両の前面には、10周年のオリジナルエンブレムがはられ、そして車内、車外も翌日からの展示に向け、飾り付けられていきます。

【野川アナ】
「レッドウィングもお色直しがですね、順調に進んできておりますけれども、その前でこれに合わせた展示の準備も進んでまして。このデザインを担当した『GKデザイン広島』が今まで手がけてきた鉄道であったりね、交通機関の車両の歴史の変遷を見ることができるんですね。そして、この先にですね、非常に気になるものがあるんですよ。ここ見てください。レッドウィングのモデルですね。スケールモデルなんだなという感じがしますが、後ろにちょっと回ってみましょう。おっ!見てください。びっくりしますよ。

なんだ、この車両は…ってね、顔のところがオレンジに塗られてますけども。
デザインの最終選考に残った2つの案なんだそうです。
もしかしたらオレンジの強烈な印象が残る、こちらの案になっていたかもしれないと。
こちらになっていたら、『どんな世界があったんだろうな』っていうね、タラレバですけどね…考えますね。こっちもこっちでインパクトありますよね」

Q:オレンジの案になっていた時にレッドウィングのような愛称は?

「これ、ちょっと。ふっと思い浮かんだのが『サンライナー』ですよ、やっぱり。なんかやっぱりこのオレンジで言うと太陽のイメージがありますので…『サンライナー』とかになってもおかしくなかったのかなぁ…なんて。皆さんはどんなニックネームがこの車両についていたと思いますか?なんていう…もしもの世界を考えるのも楽しいですよね」

到着からおよそ10時間後…ラッピングが遂に完成しました。

【野川アナ】
「シンボリックな部分が完成しました。10周年ということで『1』、『0』が表現されているということなんですよ。ダイナミックですね」

車両の前方には、もともとあった赤いラインを活かした巨大な10の数字。
そして戸袋には10周年記念のエンブレムが貼り付けられました。
さらに車両中央の出入口の上には10周年を祝うメッセージも!

【野川アナ・土屋さん】
「10の1の数字のところ、数字の1の『ちょん』というところを今回のこのラッピングで足したんですね。あの部分というのは、凸凹なんかもあるところですから、ここでしっかりとね、現場の作業員の方々が緻密に測って作業をされてらっしゃいました。
この10の数字のところ、あえてですね、開けてあるところがあるわけです。
完全に0を円にしていないわけですね。
これはもともとあった広島シティネットワークのロゴマークがこの0の部分あって…そのデザインを0のデザインとしていかしているわけですね。

あとこれは狙ったか狙っていないかわかりませんが、赤でこの位の大きさの『C』のマークになると…ちょっとどことなく広島のシンボルの一つである、あのプロ野球チームのマークを連想させる感じがしませんか?もともとあったデザインもいかしつつ、このレッドウィング10周年という節目、記念すべきタイミングを、一面使って体現しているということになるわけなんですね。もちろんデザインをしてね。

きょう、この日にちを決めた皆さんの企画力と愛と、そして今日1日、現場で作業にあたった皆さんの、まさにプロフェッショナルの技ですよね。なかなか胸が熱いですね」

テレビ新広島
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