小泉進次郎農水相は、5月21日の大臣就任から1カ月がたちました。
今後、力を入れるものとみられるのが、「JAの改革」です。
■小泉農水相「農家で、東京のど真ん中に農協がビルを持っていることを求めている人はいない」
JA全中は、システム開発の失敗で生じた200億円規模の損失の穴埋めするために、東京大手町にあるJAビルの一部を売却する方針を示しています。
それについて小泉農水相は、「農家で、東京のど真ん中に農協がビルを持っていることを、求めている人は誰もいない」と述べています。
さらにその翌日、JA全中の山野会長と面会しています。
その時は「巨額赤字も出たことが、農家や組合の皆さんの負担にならないように」と小泉農水相が発言しました。
一方、山野会長はビルの売却について、「我々単独でできるものではない」としています。
■JA改革「タイミングは今しかない」と鈴木哲夫氏
小泉農水相は今後JA改革に乗り出すのか。
ジャーナリストの鈴木哲夫さんは、23日に出演した関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」の中で、「JA改革は石破首相のお墨付き」と話しました。
【鈴木哲夫さん】「(小泉農水相は)農林部会長の時にJA改革を打ち出して失敗したわけです。だからそれをもう1回という思いがあるでしょう」
【鈴木哲夫さん】「大体、改革は3パターンあって、1つは官僚も含めて“こそこそ”と裏で改革していこうというパターン。2つ目は国会や委員会という所に、表に出して国民に見える所で議論してやっていこうと」
【鈴木哲夫さん】「3つ目はわざと敵を作るんですね。つまりけんか相手を作って、『やるぞ!』という手法。お父さん(小泉純一郎元首相)がそうだった。郵政民営化でも敵にして。今のところ、この2番目か3番目、どっちかで着手するというスタートだと思うんです」
【鈴木哲夫さん】「石破さんと話したら、石破さんは『とにかく自分が、コメ改革やりたい。これは小泉大臣に全部やってもらう』とはっきり言ったんです。だから進次郎さんがやっていることは、一応、石破さんのお墨付きということはあると思います」
【青木源太キャスター】「農林部会長だった10年ほど前はできなかったことが、今の世論、今の立場では、できるということですか?」
【鈴木哲夫さん】「そういうことです。やっぱり世論ですよね。“米”は国民が考える、非常に良い刺激材料になった。やってみたら、流通とかJAとか、もしかしたら問題があったのかって。だからタイミングは、今しかない」
【鈴木哲夫さん】「僕に言わせると実は、選挙の前にこういうことを出して争点にしてほしかったんだけど、その辺またいろんなところに気を使って、選挙の後にやるのかなって、ちょっと嫌なところも見えますけどね」
■JAが農家を支えている事実も 大事なのは「透明化」か
【青木源太キャスター】「特に零細農家と呼ばれる、規模が小さければ小さいほどJAの存在に『助かっている』という農家の方もいらっしゃいますよね」
【鈴木哲夫さん】「僕は農協に助けられてる農家の人もたくさん知っています。だから透明化ですよね。一体何をやって来て、どういうふうに価格が決まって、どういうふうに誰が介入しているのか。それを1回、表に出して」
【鈴木哲夫さん】「(改革3パターンのうち)僕はやっぱり2番目の国会の場で、平場で国民が見える所で、この議論をしてほしいと思います」
【青木源太キャスター】「小泉農水相が向き合わないといけないのは、私たち消費者も、農家の方も、小売店もいます」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月23日放送)