元交際相手と共謀して知人男性の遺体を損壊し、遺棄した罪に問われている女の裁判で、検察は懲役2年を求刑しました。
死体損壊及び死体遺棄の罪で起訴されているのは無職の女(事件当時19)で、2024年6月、知人男性に対する殺人などの罪で起訴されている元交際相手で会社役員の男(29)と共謀し、遺体を燃やしたり切断したりした後、藤枝市の山に埋めた罪に問われています。
これまでの裁判で、男は日頃から被害者に対する愚痴を女の前でこぼすとともに「殺したい」という趣旨の話をしていたことや事件後に男から女に対して「殺しちゃった。全然血を拭けないから拭く物あるだけ持って来て」などと電話があったため、女が血を拭くための衣服を持参し、男の指示で遺体を車で運んだことなどが明らかにされています。
6月23日の裁判で、検察側は「死者の尊厳を軽んじた冷酷残忍で悪質なものというほかない。死臭を取り除くため業者に清掃を依頼するなどの証拠隠滅を行っていて、犯行全体を通じて重要な役割を果たした」と指摘した上で、「遺体の大部分は今なお発見されていない。『実の父から虐待を受けていた過去のトラウマから男をおそれ、誘いを断れなかった』と供述しているものの犯行を正当化する事情にはならない」として懲役2年を求刑しました。
これに対し、弁護側は「犯行の数日前に交際関係の解消を申し出ていて、男を手伝う動機や利益はまったくない。男の指示を断れば自分や家族に危険が生じると考え、不本意ながら加担したもの。幼少期に受けた虐待から臆病な性格になり、従属的な立場で嫌々ながら関与したが、車の運転や荷物持ちと関与の度合いも極めて小さい」などとして執行猶予付きの判決を求めています。