福井県内の小さな旅を紹介する「小旅」のコーナーでは今回、南越前町赤萩に古くから地区に伝わる、幸せや子宝をもたらすお地蔵様を紹介します。
 
南越前町赤萩の小高い場所にある古刹、浄土宗善導院。寺に関する書物が残っていないため創設ははっきりしていませんが、現在の住職で39代目と、古くからこの地区に寄り添い続けています。
 
その境内にひっそりと佇む小さなお堂の中には、木造のお地蔵様と石のお地蔵様の3尊がまつられています。
 
木造のお地蔵様は「しあわせ地蔵」と親しまれ、地区の住人らの幸せをそっと見守り続けています。
 
そして、その隣の石のお地蔵様が「赤萩地蔵」で、女性の願いを叶え子供を授けると伝えられています。
 
元々は集落の外れにまつられていましたが、「必ず幸せにするからお寺に運び、まつって欲しい」というお地蔵様の声を住民が聞き、この場所に移されたと伝わります。
 
住職は「子供を授けて下さるお地蔵様ということで、公に広がっている訳ではないが周りの方に親しまれている。いつでも受け止めて下さるお地蔵さまとこの場所を守っていきたい」と話します。
  
住職によりますと、子供は授かるものなので赤萩地蔵には「子供が欲しい」ではなく「大切に育てますので子供を授けて下さい」とお願いするのが良いとのことです。
  
お参りに訪れる住民をいつも静かに、慎ましく迎える善導院のお地蔵様。はるか昔に交わした「約束」を、今もひたむきに守り続けています。

福井テレビ
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