官製談合事件の捜査で、6月18日午後6時半ごろ福島県警察本部の捜査員がいわき市水道局に家宅捜索に入った。

■官製談合事件
いわき市水道局の眞山佳幸容疑者(34)は、2024年1月に配水管改良工事の入札で、いわき市内の建設会社の社長などに秘密事項の設計金額などを教え、落札させた疑いで6月18日に逮捕された。この入札を巡り、建設会社の社長・松原文司容疑者(74)と、取締役の松原文隆容疑者(48)も入札妨害の疑いで逮捕された。
警察は「捜査に支障がある」として3人の認否を明らかにしていない。
いわき市水道局は、再発防止とともに捜査に誠心誠意協力していくとしている。

■誤った最低制限価格と同額で落札
不正が疑われているのが、2024年1月に行われた配水管の改良工事の入札。
この時、いわき市水道局が誤った設計単価で最低制限価格を積算し入札を行ったが、その最低制限価格と同額で業者1者が落札した。
この業者が、今回逮捕された松原文司容疑者(74)と文隆容疑者(48)が役員を務める大松興産だ。2人は、いわき市水道局で入札の設計や積算を担当していた眞山佳幸容疑者(34)から秘密事項の設計金額などを聞き、落札した疑いが持たれている。

■調査委員会が警察に相談
この入札について、いわき市が立ち上げた調査委員会は「誤った最低制限価格と同額での落札はやはり不自然。調査に限界があり捜査機関に相談が必要」とし、いわき市から相談を受けた警察がこれまで捜査を進めていた。

■今後の捜査のポイント
3人の接点がいつから始まったのか?事件までの経緯。そして、犯行の動機や手口。
また、情報の見返りとして3人の間で金品の授受などがあったかも詳しく調べるものと思われる。
さらに、調査委員会の報告書では、事業者から過去の情報漏洩などについて「噂で聞いたことがある」との回答があったとしている。不正の疑いがある入札が他にもあるのか、こうしたところも今後捜査するとみられる。

福島テレビ
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