宮城県警は6月17日、機動捜査隊の男性巡査長が、拳銃などの装備品をコンビニエンスストアのトイレに置き忘れる事案があったと明らかにしました。装備品はその後、警察が回収したということです。
宮城県警は懲戒処分にあたる可能性もあるとして、男性巡査長から聞き取りを行っています。こうした、警察官が拳銃を一時なくす事案は全国で相次いでいます。
2019年、島根県警の男性巡査は大阪のG20サミットで伊丹空港の警備中、個室トイレの棚に拳銃などを置き忘れ、管理会社の社員が発見しました。
同じく2019年、兵庫県警の女性巡査長は駅のトイレに拳銃などを置き忘れ、他の利用客が発見して届け出ました。トイレ以外の場所でも起きています。
2018年、和歌山県警の男性巡査は安倍元首相の警護中の車両から拳銃を落とし、のちに、散歩中の人が拾いました。
警察庁によりますと過去5年間、全国で7件の拳銃紛失が起きています。拳銃の置き忘れはなぜ頻発しているのでしょうか、元刑事に聞きました。
神奈川県警の元刑事で「機動捜査隊」の隊員も経験した、犯罪ジャーナリストの小川泰平さんです。
元神奈川県警刑事 犯罪ジャーナリスト 小川泰平さん
「機動捜査隊の勤務は24時間体制。2名1組で覆面パトカーに乗って、自分の受け持ち(管轄)を回っている」
「私服」で事件の初動捜査にあたる機動捜査隊。急を要する場合はコンビニのトイレを使うこともあるそうです。
元神奈川県警刑事 犯罪ジャーナリスト 小川泰平さん
「刑事とは言え人間ですから、お腹が痛い時も時にはあったり、体調が悪い時があって、どうしてもという時はなくはない。普段の健康管理の問題なんですけど、本当に致し方ない時はコンビニのトイレを借りる時もある」
こちらは「帯革」と呼ばれる拳銃や警棒を装着する腰のベルトです。
元神奈川県警刑事 犯罪ジャーナリスト 小川泰平さん
「トイレで大きい方の時は帯革があると、ズボンを下げることができません。帯革を一旦外してトイレのどこかに置いたのだと思います。よく上司から言われたのは『拳銃は命より大事だ』。自分の命を守るものでもあるけど、一般市民の命を守るためのもので。第三者に使われたら責任をとって、警察を辞めることで済む問題じゃない。自分の命を差し出しても代えられない」