真剣な表情で牛の体を調べているのは、畜産を学ぶ高校生たちです。
高校生がこうした牛の審査技術を競う大会が、島根県出雲市で開かれました。

出雲農林高校動物科学科3年・藤井里歩さん:
島根の畜産を担う人材の一人として最優秀賞の獲得を目指し、正々堂々と競技することを誓います。

出雲市の県畜産技術センターで開かれたのは、高校生の「家畜審査競技大会」。
県内5つの高校で畜産を学ぶ約190人が参加しました。

この大会で生徒たちが競うのは、「家畜の評価の正確さ」です。
肉用牛と乳用牛の2つの部門で用意された4頭の牛から、最も優れた性質を持つ牛を見抜くいわば“目利きの力”を競います。
例えば…。

櫃田優果記者:
こちらの4頭の牛、どれが一番いい牛か分かりますか。

どの牛も体が大きく立派に見えますが、正解は…こちらの牛。
肉用牛の場合、最も重要なのは体格の良さ。
体長、体の幅、そして厚みが大きいほど良い牛だとされます。

制限時間は20分、生徒たちは真剣な眼差しで牛同士を見比べて体の大きさを確認。時には直接触って肩甲骨の周りの発達具合や体毛の生え具合などの状態を丁寧にさぐり、牛の性質を評価していきました。

中には、牛と触れ合う機会が少ないという生徒もいるということですが、それでも日ごろ学んだ知識をフル活用して牛に向き合いました。

出雲農林高校動物科学科3年・藤井里歩さん:
全然当たらなかったです。農業普及指導員になって地域の畜産を支えていきたいと思っているので、もっと牛についての知識を身につけていきたい。

出雲農林高校・高橋知広教諭:
こういう大会を通じて、(牛の評価などの)スキルも一つ身につくんじゃないかと思う。少しでも畜産関係、または農業関係の進路を選択してもらえれば、それに超したことはないと思います。

学校関係者は、こうした競技会を通じて生徒たちに技能を高めてもらい、次の時代の担い手確保につながればとしています。

TSKさんいん中央テレビ
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