ヨーロッパ各地で15日、オーバーツーリズムに対する大規模な抗議デモが相次いで行われました。
ロイター通信によりますと、世界遺産のサグラダ・ファミリアがあるスペイン・バルセロナでは、数千人がデモに参加したといいます。
デモ参加者は「観光客向けの賃貸用にするため、住民がアパートから追い出されているわ」と、観光客向けのホテルや民泊の増加による住宅費の高騰などに対して抗議。
ホテルの前では次々と爆竹を投げつけました。
さらに、ホテルの前にテープを伸ばして入り口をふさごうとします。
すると、ホテルのマネージャーが現れテープを切断。
それでも、デモ参加者はすぐにテープを貼り直します。
これで終わりではありません。
ホテル内には発煙筒も放り込まれ、ついには、デモ参加者たちはホテルのマネジャーを水鉄砲で攻撃。
マネジャーは負けじと水鉄砲を奪い取り、怒りをあらわにしました。
人口160万人のバルセロナには、2024年の1年間で2600万人もの観光客が訪問。
市内では、2024年7月にも今回と同様の反オーバーツーリズムデモが行われました。
この時は、観光客に水鉄砲がかけられ問題となりました。
ロイター通信によりますと、今回のデモが行われた15日には、他にもスペイン国内やイタリアの複数の観光地で反オーバーツーリズムデモが行われたといいます。
こうした中、イタリアのある美術館がSNSに投稿した動画が物議を醸しています。
美術館の防犯カメラが捉えていたのは、まさかの行為でした。
観光客とみられる男性が展示物の椅子に腰掛けるふりをしたあと、バランスを崩して椅子を破壊。
すると、あろうことか、カップルとみられる男女は椅子を放置したまま逃げるようにして立ち去ったのです。
被害に遭ったのは「ゴッホの椅子」というアート作品。
数百個のクリスタルを使った貴重な展示品でした。
美術館は警察に被害を申告したものの、椅子を破壊した2人組の特定には至っていないということです。
椅子はすでに修復済みで、美術館は取材に対し「芸術に対する敬意と愛の重要性を広く知ってもらうために、不幸なできごとを公開した」とコメントしています。
