いわゆる「デート商法」で4億円近い契約を結ばせたとみられる男が5月、特定商取引法違反の疑いで逮捕されました。
被害にあったと見られるのは約400人。
被害者が明かすその手口とは。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「断る勇気があれば、100万円を支払うことはなかったのではないか」
こう話すのはいわゆる「デート商法」の被害に遭い、その後お金を取り戻すことができた20代の女性です。
事の発端は3年前。
「マッチングアプリ」で知り合った男から誘われたのが始まりだったといいます。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「交友関係を少しでも広められたらいいなと思って使っていたんですけど…『直接話さないことには雰囲気とか分からないから、お店で会って話しましょう』と誘いを受けて、いい人そうだなとは思った」
2人が初めて会ったのは福岡市・天神の居酒屋。
男は女性の収入や住まいなどについて質問を始めたと言います。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「仕事の話になって、一人暮らしなのか実家暮らしなのか聞かれたりして、『無料で貯金とか相談できるところがあるから、給与明細2ヵ月分とボーナスの明細を持って相談に行かない?』と言われて」
男は自身が所属するというコンサルティング会社を紹介。
女性はこの時点で怪しさを感じたと言います。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「『詐欺じゃないの?』と聞いたが、『こっちは会社としてやっているんだから、詐欺じゃない』と結構怒られて、大声で怖いなというのもあって断りきれなかった」
女性は男と始めてあった翌日、一緒に福岡市内にあるコンサルティング会社の事務所に行くことになりました。
事務所では営業担当者の男も交えて話が進んでいったといいます。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「(営業担当は)事前に持ってくるように言われていた給与明細をみせると『平均以下だから転職するか』『金を使わないかしないと生活厳しいよね』と」
営業担当者の男は「転職をサポートする」などといったコンサルティング契約を女性に提示。
その契約料は100万円でした。
◆福岡県内に住む 20代の女性
「『そのお金は無いです』と言ったが『お金が借りられるから借りてきて支払える』。契約すると言わないと帰れないような雰囲気になっていた」
そして、女性は2軒の消費者金融をまわって50万円ずつ借り、契約を結んでしまったのです。
しかし、その後SNSを通してこのコンサルティング会社が不審な会社であることを知った女性は、消費生活センターに相談。
契約解除にこぎつけ、無事100万円を取り戻すことができたといいます。
実は女性が契約を結んでしまったコンサルティング会社は、マッチングアプリで知り合った相手に目的を告げずに契約の勧誘をした疑いで逮捕された福岡市南区の会社員・會野英雄容疑者(38)が実質的経営者を務めている会社。
警察によりますと、會野容疑者は「デート商法」で2018年以降約390人と契約し、合わせて約3億9000万を売り上げていたとみられています。
100万円を取り戻すことができた女性も、會野容疑者の指示を受けた会社の従業員から勧誘を受けたとみられています。
警察は、こうしたデート商法に注意するよう呼びかけています。