サッカーJ2・モンテディオ山形は15日、ホームで「みちのくダービー」を戦った。勝利だけが価値を持つ伝統の1戦は、双方合わせて7得点の壮絶なシーソーゲームになり、結末も衝撃的なものだった。
両チームのサポーター約1万5000人が集結する中で行われた今シーズン初めてのみちのくダービー。
前半9分、山形は仙台・エロンの突破を止められず、いきなり先制点を奪われたが、3分後、坂本がペナルティーエリアの外から積極的に右足を振り抜きすかさず同点に追いついた。
ところがその6分後、山形の守備の圧力が弱く簡単にクロスを上げさせてしまい瞬く間に失点。再びリードを奪われた。
それでも山形は4分後、コーナーキックのチャンスを得ると、流れから放った藤本のヒールシュートが仙台のオウンゴールを誘発。
開始約20分で両チーム合わせて4得点と、激闘必死のダービーは激しいシーソーゲームとなった。
互いの意地と意地がぶつかりつばぜり合いが続く中、後半31分、ついにホーム・山形の意地が上回る。
浮き球のスルーパスをディサロが頭で決めて勝ち越し。勝利を大きく引き寄せたかに思われた。
しかし5分後、カウンターを受けた山形は浮足立った守備のすきを突かれ、あっけなく失点。またも同点に追いつかれてしまう。
ゲームは同点のままアディショナルタイムへ。
ホームの大声援に応えたい山形だったが、待っていたのは悲劇的な展開だった。
ファウルからフリーキックを献上すると、これを完璧な形で仙台に決められ土壇場で勝ち越されてしまった。
ゲームはこのまま3対4で無念のホイッスル。明暗がはっきりと分かれた試合後の両スタンド。厳しい現実を突きつけられる結果となった。
(渡邊晋監督)
「負けです。我々の負けです」
(FW11・藤本佳希選手)
「スタジアムの雰囲気はすごかったですし、勝てなかったのは本当に申し訳ない」
(FW90・ディサロ燦シルヴァーノ選手)
「全員が本当に変わっていかないといけない」
全38試合のリーグ戦、山形は前半戦を4勝5分10敗・17位で折り返した。
山形の次節は、22日(日)アウェイで秋田と対戦する。秋田との日本海側の東北対決は「奥羽本戦」とも言われ、こちらも負けられないダービーマッチ。
リーグ戦折り返し、後半戦始まりの試合なので、この試合に勝って最高のスタートダッシュ・浮上のきっかけにしたい。