「ミシュランガイド」にも掲載されたという、大阪府河内長野市の日本料理店「日本料理喜一」で、ことし2月ノロウイルスによる食中毒が発生し、「2日間営業停止」の処分を受けていた期間中に営業し、ノロウイルスに汚染された仕出し弁当を販売した疑いで、経営者の男と、妻の女将、その息子の店長ら3人が逮捕された。
この店ではことし2月のうちに利用客80人で、ノロウイルスによる食中毒が発生し、営業停止や、さらに処分が重い営業禁止と2度の処分が命じられていた。

■「ミシュランガイドに掲載歴」経営者とその妻の女将・店長の息子「食中毒で営業停止期間中にノロウイルス汚染仕出し弁当を調理・販売疑い」
捜査関係者によると、食品衛生法違反の疑いで逮捕されたのは、河内長野市の日本料理店「日本料理喜一」の経営者・北野博一容疑者(69)、息子で店長の博稔容疑者(41)、博一容疑者の妻で女将の経子容疑者(68)だ。

3人はことし2月15日から16日、店でノロウイルスによる食中毒が発生し、営業停止を命じられていた期間だったにもかかわらず営業し、ノロウイルスに汚染された、仕出し弁当11個を調理・販売した疑いが持たれている。

この仕出し弁当を食べた複数の客が、ノロウイルスによる食中毒になったということだ。
店のホームページによると、「日本料理喜一」は、世界的に有名なグルメガイド「ミシュランガイド」にも掲載されたことがあるという。

■2月「1カ月で2度」の「ノロウイルス食中毒」2日間営業停止から営業禁止処分も
大阪府によると、この店ではことし2月、わずか1カ月の間に「ノロウイルスによる食中毒」が利用客80人で発生。
2度の処分を受けていて、1度目は2日間の営業停止、そして2度目はより重い処分で、大阪府から許可されるまで営業再開ができない、無期限の営業禁止の処分を受けていた。(3月2日に「営業禁止」。3月18日に解除)
<「日本料理喜一」を巡る食中毒の発生と処分(ことし3月の大阪府発表による)>
●2月10日
・医師から「2月8日に『日本料理喜一』を利用後、下痢、腹痛等の食中毒のような症状が出た患者を診察し、便からノロウイルスが検出された」と富田林保健所に届け出。
●2月15日
・調査の結果、店が2月8日に提供した食事を食べた2つのグループの17人に、2月9日午前6時以降、下痢、吐き気などの食中毒のような症状が出ていることが判明。その後の調査で、さらに患者8人、あわせて25人を確認。
・富田林保健所は、店が提供した食事による食中毒と断定して、15日から16日まで「2日間の営業停止処分」を命じる。
●2月15日~16日(※捜査関係者によると)
・営業停止処分を受けていたこの2日間に仕出し弁当を調理・販売か。今回の逮捕の容疑に。
●2月17日
・医師から「2月13日に『日本料理喜一』の仕出し弁当を食べた後、食中毒のような症状が出た患者を診察し、便からノロウイルスが検出された」と富田林保健所に届け出。
・その後の調査により、患者6人を確認。
・「日本料理喜一」から「本日夜から営業を目粛する」との申し出。2月21日まで営業自粛。

●2月25日
・2月8日に「日本料理喜一」を利用した人から「下痢、嘔吐などの食中毒のような症状が出た」と富田林保健所に届け出。その後の調査で患者2人を確認。
●2月26日
・患者から「2月23日に『日本料理喜一』を9人で利用し、うち複数人に下痢や嘔吐などがあった」と富田林保健所に届け出。
●2月27日
・「日本料理喜一」から「2月26日に届け出のあった客以外に、複数の客から体調不良の申し出があった」と富田林保健所に届け出。
・店からは「本日から当分の間、営業を自粛する」という申し出も。
●3月2日
・富田林保健所が調査の結累、「日本料理喜一」で2月22日から2月24日の間に出された食事を食べた、8グループ23人に、下痢、嘔吐、腹痛等の食中毒のような症状が出ていることが判明。
・保健所が店を原因とするノロウイルスによる食中毒と断定し、営業禁止を命じる。(3月18日に解除)
このように、店での料理を原因として、2月8日から27日までの間に、店を利用した約580人のうち80人が食中毒になったということだ。
店のホームページでは、経営者の北野博一容疑者の名前で、「厳粛に受け止め、深く反省するとともに、再発防止に向けて衛生管理体制を徹底する」というコメントを掲載していた。

(関西テレビ 2025年6月16日)