石破首相は15日夜、G7サミット=主要7カ国首脳会議出席のためカナダに発つ直前に記者団の取材に応じ、日本製鉄によるUSスチールの買収となる投資計画をアメリカ政府が承認したことについて、トランプ大統領らの決断に敬意を表し、合意が実効性を持つよう、政府としても努力していく意向を示した。
石破首相は、「この投資計画を承認したトランプ大統領のリーダーシップあるいは決断力、ここに至るまでに精力的に調整いただいたベッセント財務長官、ラトニック商務長官ら多くの方々の努力、我が国も政府・官民をあげてこの問題に取り組んできた。多くの方々の努力の成果だと思っている。心から敬意を表したいし、これから先これが実っていくようにさらに努力していきたい」と述べた。
その上で「今回の投資はアメリカでの雇用創出ということがある。そして日本製鉄の技術を活かしてイノベーションを行い、良質な鉄鋼の生産能力を大幅に拡大することが可能になるものと考えている。同志国であるアメリカと物資のサプライチェーンが強靱になることを目指して、この合意が本当に実効性を持つようにさらに努力をしていきたい」と強調した。
石破首相はさらに、「この承認はグローバルな投資環境の改善にもつながるという意味で一種象徴的な案件だった。投資によって日米相互の経済環境を強化する日米間のパートナーシップを強化する意味で象徴的な案件だったと思っている」との認識を示した。