カンボジア政府は、隣国タイとの間で緊張が高まる国境地帯の領有権問題をめぐり、ICJ(国際司法裁判所)に判断を求める書簡を送ったと明らかにしました。
カンボジアとタイをめぐっては、互いに領有権を主張している国境地帯で5月末に軍事衝突が起きたことを発端に、両国が国境検問所を一部閉鎖するなど緊張が高まっています。
両国は6月14日から2日間にわたり、カンボジアの首都プノンペンで緊張緩和に向けた会合を開きましたが、地元メディアによるとカンボジア側はこの中で「国際法に基づく平和的な解決を望む」として、ICJ(国際司法裁判所)に領有権問題について判断を求める書簡を送ったと明らかにしました。
一方、タイ側は従来からICJの介入を認めておらず2国間での解決を求めているため、今後、強い反発も予想されます。
この問題をめぐっては、タイ政府がカンボジアの国境地帯への電力供給やインターネット回線の遮断を発表し、カンボジア政府もタイのテレビ番組や映画の国内での放送・上映を禁止するなど、影響が市民生活にも広がっていてさらなる事態の悪化が懸念されています。