宮城県栗原市では日本最古の草木染めとされる正藍冷染の染め付けが最盛期を迎えています。
栗原市栗駒文字地区の千葉正一さんの工房です。この地区では明治から大正にかけ、20軒ほどの農家が藍染めを行っていましたが、現在、伝統の技法を守るのは千葉さんの家だけです。
「正藍冷染」は藍の栽培から染料作り、染め付けまでを一貫して行う過程で、染料の藍に熱を加えず、自然に発酵させるのが特徴です。
千葉さんは、おととし亡くなった先代の母、まつ江さんの教えを守りながら、一つ一つの作業に向き合っています。
千葉正一さん
「おふくろに教えられたことは完璧に守ってやっています。何も変えないです」
染め付けを終えると、自宅の前を流れる川に反物を浸し、余分な染料を洗い流します。風にあてて乾かすと、藍の自然な濃淡とともに、あしらわれたフジの花の模様がくっきりと浮かび上がりました。
千葉正一さん
「染まり具合は大変いいです。きれいに染まります。何も心配しないで染まる自信がありますから、安心して染められます」
正藍冷染の手ぬぐいやハンカチなどは山の駅くりこまなどで販売されています。