東京電力は、福島第一原子力発電所にあるガレキの屋外保管施設のうち、約1万6000立方メートルが保管されている大規模な「一時保管エリアL」について、6月16日からガレキの撤去作業を開始する予定と公表した。
このエリアには、2011年に水素爆発を起こした原子炉建屋の周辺で、事故直後に回収された金属やコンクリートなどのガレキが保管されていて、放射性物質が拡散しないよう、慎重に作業を進めるとしている。
施設は2012年から設置が始まり、運び込まれているガレキ表面の放射線量は、1時間あたり30ミリシーベルト以下。
(参考比較:2024年11月に事故後初めて採取された燃料デブリの表面放射線量は1時間あたり約8ミリシーベルト)
東京電力は「水処理で出た廃棄物など一部を除き、2028年度内までに屋外保管を解消」を目標として掲げていて、切断などの減容化をしたうえで屋内の保管施設に移動させる計画としている。
6月16日からは、広い施設を4分割したうち、最も放射線量が低い北東側から着手するとしていて、ガレキを覆っている遮水シートや土は6月6日までに撤去済み。散水設備を備えたテントの中で、放射性物質の舞い上がりを注視しながら作業を進めるという。
北東側の撤去完了見込みは2026年度上期で、この施設全体の撤去が完了するのは2028年度までとしている。