北海道コンサドーレ札幌は6月11日(水)、シーズン折り返しとなる次節vsFC今治へ向け、宮の沢白い恋人サッカー場(札幌市西区)でトレーニングを実施。

 FIFAクラブワールドカップ開催により設けられた特別ウィンドーで加入したブラジル出身FWマリオ・セルジオ選手(29/シャペコエンセ)と浦上仁騎選手(28/RB大宮アルディージャ)が、この日の練習からチームに合流。チームメートに挨拶を済ませ、トレーニングに参加しました。

 マリオ・セルジオ選手は今シーズン、セリエBで7試合に出場しチーム2位の3得点。ブラジル国内の複数クラブからオファーを受ける中、シャペコエンセとのクラブ間交渉は難航を極めましたが、現地視察を続けてきた鈴木智樹スカウト(40)の粘り強い交渉と、「海外でのプレーが子どもの頃からの夢だった」というマリオ・セルジオ選手本人の強い意思により、契約締結に至りました。

 “攻撃的サッカー”を標ぼうしながらも、リーグ10位タイの18試合20得点と、その攻撃力を発揮しきれていないコンサドーレ。ターゲットであった「決定力があり、攻撃の起点となるストライカー」の獲得が実現しました。

 「スピード、身体能力、左足のキック、相手のDFより先に動いてゴールを決めるフィニッシュのところも自分の特徴」と自身のストロングポイントを語ったストライカーは、5月17日(土)に行われたvsクイアバECにベンチ入りして以来出場がなく、来日3日目とあり、この日の練習はフィジカルトレーニングを中心に消化。

 「優先順位としては、コンディションを上げてチームにアジャストして、最大限自分の特徴を生かしながらチームに貢献すること」と現時点ではフィジカル面の仕上がりに課題を残すものの、「知人から情報も入っていますし、自分の特徴に合うリーグだと思います」と、ブラジル滞在時より、J1得点ランキングトップを走るレオ・セアラ選手(鹿島アントラーズ)らJリーグを知る旧友から日本の情報を仕入れるなど、予習は充分。

 目標はただ一つ。「誰が何と言おうと、可能性がある限りタイトル。本来のクラブの目指すべきところなので。諦めずに、そこをまず第一に目指していく」長年の夢であった海外挑戦を果たしたストライカーは、チームを引き上げるため残り試合で「8ゴールから10ゴール」を狙います。

 一方、DF浦上仁騎選手はフルメニューを消化。「自分が起点になるようなロングパス・ショートパス。守備においてはコーチングや統率力、対人能力」と持ち味を語った浦上選手は「この夏の移籍の意味も深く理解しているつもり」と、キャリア初となるシーズン中の完全移籍に闘志を燃やします。

 シーズン序盤は3バック、現在は4バックを採用しているコンサドーレ。浦上選手は大宮時代に3バックの左CB、ヴァンフォーレ甲府時代に3バックの右CBや4バック中央のポジションを務めたマルチロールなDF。「今までのチームで全部経験しているので、どこでもできるつもり」。馬場晴也選手(23)が柏レイソルへ移籍、中村桐耶選手(24)が左膝後十字靭帯部分断裂により離脱し、ボランチを本職とする高嶺朋樹選手(27)がDFラインに入るチームに、その器用さで選手起用の幅を拡げる役割も期待されます。


 移籍が発表された際には、幼い頃から親交があり、昨オフには連れ立って北海道旅行にも出かけた親友である鹿島アントラーズのFW鈴木優磨選手(29/2022年~2023年に岩政大樹監督のもとでプレー)から、「大樹さんを漢にしてくれ!!」とInstagramでエールを受けました。「素晴らしいDFだった現役時代を知っていますし、歴代のCBでもトップに入る人。そういう監督のもとでやれるというのは、自分にとってプラスでしかない」と元日本代表DFである指揮官との共闘にも、胸を高鳴らせました。

 この移籍ウィンドーで、同じく加入したDF宮大樹選手(29)とともに、リーグワースト3位タイの29失点を喫している守備面の立て直しを託される浦上選手は、「このエンブレムを背負うからには責任がある。言葉だけでなく、クラブと一緒に強くなるため、ピッチの中で僕自身持っている力を全て出して、チームの目標を達成するために全身全霊で闘いたい」と並々ならぬ決意で新天地での飛躍を誓い、チーム合流5日目の6月15日(日)に、大和ハウスプレミストドームで行われるvsFC今治に照準を合わせます。

北海道文化放送
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