梅雨前線の影響で9日夜は大隅地方で線状降水帯が発生しました。
気象庁によりますと、線状降水帯の発生は全国で2025年では初めてです。
この大雨により床上床下浸水や土砂崩れが発生しましたが、建物や人的被害はありませんでした。
一夜明けた様子を取材しました。
大隅地方に線状降水帯の発生が発表された、9日午後7時半ごろの鹿屋市です。
大粒の雨が地面にうち付け、視界は悪く、排水溝からは水があふれ出ています。
このように大隅地方も大雨に見舞われ、降り始めからの雨量は肝付町前田で382.5ミリにのぼり、平年の一月分の降水量の約7割を占めました。
一夜明け、線状降水帯が発生した大隅地方での被害の状況が明らかになりました。
春山たかよ記者
「錦江町では町道の法面が崩れました。現在、急ピッチで復旧作業が行われています」
錦江町皆倉では線状降水帯が発生した9日午後7時半ごろ、町道の皆倉線で高さ約7メートル、幅約7メートルの土砂崩れが発生しました。
近くに住む人
「あっけにとられた。(雨が)強すぎて。前が見えないくらいすごかった。めったに崩れないが久しぶりに崩れた。タイミングずれたら私はこの下敷きになっているところ」
県などによりますと、肝付町で床下浸水が3棟確認されました。
轟木康陽記者
「午前9時ごろの鹿児島市中山町です。きのう土砂崩れが確認された現場では現在、土砂の撤去作業が行われています」
消防などによりますと、鹿児島市中山町では9日午後4時半ごろ、住宅のそばで高さ約7メートル、幅約6メートルの土砂崩れが発生しました。
近隣住民
「土砂が崩れて木が倒れていたから、あそこちょっと狭いので、車が通れないから困るだろうなって」
「あまりひどい雨が降ると土砂崩れがちょっと心配」
指宿市では9日、1日の降水量が気象庁が統計をとりはじめてから最も多い345.5ミリを観測、8日の降り始めからの雨量は435ミリに達しています。
このほか、南九州市頴娃町では住宅の近くで土砂崩れが2カ所確認されましたが、住宅への被害はなくけが人もいませんでした。
薩摩大隅地方ではこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所があり、引き続き土砂災害などに警戒が必要です。