先生は「高校生」が務めました。

身近な科学に興味を持ってもらおうと、文部科学省から、理数分野の教育に力を入れる「スーパーサイエンスハイスクール」に指定されている高校の生徒が、中学生に出前授業を行いました。

河内杏月アナウンサー
「体育館に集まる中学生。その前に立つのは制服姿の高校生です」

10日、鹿児島市の福平中学校で行われた出前授業では、錦江湾高校の3年生が「先生」を務めました。

錦江湾高校は、文部科学省から、理数分野の教育に力を入れる「スーパーサイエンスハイスクール」に指定されていて、日々の授業でグループごとにテーマを設定した「研究」の時間が組み込まれています。

錦江湾高校と同じ地域の中学生にも科学に興味を持ってもらおうと、10日は普通科の3年生が自分が取り組む研究課題やその成果についてプレゼンテーションを行いました。

ビワの研究を行っているグループは、ビワの葉に肩こりに有効とされるビタミンB1が含まれているかを調べた実験を紹介しました。

少し難しい内容を中学生たちは質問をして理解しようとします。

中学生
「ビワの葉にビタミンB1以外に含まれているものはありますか?」

高校生
「咳止めの効果があるタンニンなどが含まれています」

ジョロウグモの研究を行うグループは自然界ではなく、建物に巣を作るクモに注目して、その生態や個体数などをグラフや写真で説明しました。

中学生
「共食いはしないんですか?」

高校生
「メスとメスが共食いをします。結構、珍しい現象ではあります」

中学生たちは自由なテーマで研究をする年の近い「先生」の話を聞くことで、身近な科学への興味を深めたようです。

授業を受けた中学3年生
「面白かった。クモも考えて生きていると感動した」
「年がそんなに離れていないのに研究をいっぱいしていて、自分たちと違う世界を見ているのがいいなと思った」

錦江湾高校普通科 3年・中村にこさん
「(高校に入るまでは)本気で研究活動をすると思っていなかった。高校で(研究の)経験ができたので中学生にも頑張ってほしい」

錦江湾高校普通科 3年・山内蓮さん
「高校は偏差値などで選びがちだが、自分がやりたいことを目安に決めるのも選択としてありなんだと伝えに来た。かなり前向きに伝えられたと思う」

鹿児島テレビ
鹿児島テレビ

鹿児島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。