備蓄米が放出され、コメの価格を下げるために企業などが努力をする一方で、「少しでも安いコメを買いたい」という消費者心理を狙う詐欺も起きている。偽サイトを作られてしまった新潟県長岡市の精米店も注意を呼びかけている。

偽サイト作られた精米店「日々問い合わせが…」

「おコメサイトで詐欺にあった。決済後にメールが来なくておかしいと気づいて、調べたら詐欺サイトだった」
「ひっかかりました。安いと思って購入したら注文完了のメールも何もなし。高い勉強代、あまりにも安いと思ったらご用心」

コメの価格高騰につけこんだ、いわゆる“振りコメ詐欺”。中には実在する精米店の名前を騙った偽サイトも。

偽サイト
偽サイト
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「だまされてしまった人もいて、日々、問い合わせの電話が20件~30件、多いときは50件くらい」

こう話す新潟県長岡市にある『お米のたかさか』も被害に遭った店舗の一つだ。

公式サイトと偽のサイトを比べると、全く違うように見えるが、デザインをよく見てみると、カテゴリーリストのデザインはほぼ同じだ。

左が公式サイト、右が偽サイト
左が公式サイト、右が偽サイト

高坂英義社長は「このあたりは弊社のサイトを丸々使っている感じで、下のコメはもう全然弊社とは関係ないコメがずらっと並んでいる。値段も半額以下になっているので、いまのご時世この価格はあり得ない」と話す。

偽サイトを見ると、セールの文字が踊り、5kg5513円の“去年産のあきたこまち”が2757円と半額で販売されるなど、ブランド米が破格の安値に。

「非常に仕入れもままならない状態。備蓄米が出てきた影響で少し仕入れができる状態にはなったが、相変わらず少ないので値段も高いまま」と現状を話す高坂社長。

過度な安売りをうたう販売サイトへの注意も呼びかけている。

安すぎる米・問い合わせ先の掲載なし…偽サイトへの注意呼びかけ

「サイトを見て、まず安かったら怪しいと思うべきだし、問い合わせ先が載っておらず、名前だけは使われているが、住所は全く別。電話番号や問い合わせ先もないので、そこを見て怪しいなと思ってほしい」

お米のたかさか 高坂英義 社長
お米のたかさか 高坂英義 社長

偽サイトに記された住所は東京都台東区。マップで検索すると、そこは上野駅近くの高架下の衣料品がある場所だった。ほかにもサイトの説明文の中にアルファベットや中国語の表記が混在するなどおかしな点も。

高坂社長も困惑を隠せない。

「怒りはあるが、どうしようもないし…一人一人に意識を持ってもらうしかないのかなと思っている」

備蓄米の放出により、コメの価格の下落が期待されるが、安すぎるコメには注意が必要だ。

(NST新潟総合テレビ)

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