佐世保警察署の男性警部補が上司からパワハラを受けて自殺したとして、遺族が県に1億3800万円あまりの損害賠償を求めた裁判の判決が長崎地裁で言い渡されました。
地裁は賠償金の支払いを命じましたが、上司の過失については言及しませんでした。
この裁判は2020年に自殺した佐世保警察署勤務の男性警部補の遺族が起こしたものです。
遺族は男性警部補の自殺は、署長と課長によるパワハラと長時間勤務が原因だったとして、県警を設置する県に安全配慮義務違反があったとし、慰謝料など約1億3800万円の支払いを求めていました。
10日の長崎地裁の判決で松永晋介裁判官は「幹部から長時間労働の過少申告を招く不適切な指示が行われた」などとして被告の県に対し、約1億3500万円の支払いを命じました。
一方で、パワハラをした署長や課長個人に重過失があったかには触れず、原告は複雑な心境を明かしました。
原告の遺族
「金額よりも内容的な所を求めた裁判だった。重過失を認めてもらってその先、求償につなげるようにしたかった」
県警監察課は判決を受け「判決の内容を確認し今後の対応を検討する」などとコメントしています。