兵庫県の斎藤知事が「元県民局長の私的な情報」が漏えいした問題の責任をとるとして、自ら提案した「給与を3カ月50パーセントカット」とする条例案について、県議会は10日、採決を見送り継続審議とすることを決めました。
これによってこの6月議会で「給与カット」の条例は成立しないこととなり、早くて9月議会以降となります。
県民局長の私的な情報の漏えいを巡っては、県が設置した第三者委員会が知事の側近である、当時の総務部長が漏えいさせたと認定し、「漏えいは知事らの指示があった可能性が高い」と指摘していました。
■真相解明がされない中での議案提出に県議会側が反発
斎藤知事は、漏えいへの指示については繰り返し否定していて、真相解明がされない中での議案提出に議会からは反発の声があがっていました。
【自民】「この条例だけは認めてはいけない。これで幕引きにさせてはいけない」
【維新】「知事がこれまでしてきたことすべてに対しての責任としての減給なら賛成できる。しかし、これはあくまで部下が『情報漏えい』をしたことに対する上司としての責任と言っている。賛成できるわけがない。知事はチャンスを逃した」
【公明】「事実関係が明らかになっていないのに何に対して責任をとるのか。責任の捉え方が根本的に違う」
【ひょうご県民連合】「反対。話にならない」
採決の見送りにより、一連の問題に対する知事の責任の取り方が不透明となっています。
(関西テレビ 2025年6月10日)
■10日も各会派から反発の声 「事実関係はっきりしていない」「県民の分断深める」「判断材料足りない」「時期尚早」「信頼回復できない」
そして知事の「給与カット」の条例案を継続審議とすることを決めた、きょう=10日の県議会総務常任委員会では、県議会の各会派からは次のような意見が出ました。
【自民 伊藤栄介県議】
「(情報漏えいするよう)知事の指示があったのかなかったのか事実関係がはっきりしていません。県民が納得していない現状で本議案の可否を決することは県民の分断を深めるリスクがあると思います」
【維新 門隆志県議】
「判断するだけの材料が非常に足りないと認識している。今後の展開もどのようになるかわからないので、我々に議決責任はあるが、さすがに今回だけは継続審議を主張したい」
【公明 越田浩矢県議】
「知事の管理責任だけを問う当該議案に対して結論を出すのは時期尚早で、まずは全容を解明し、そのうえで知事がどのように責任をとるのか改めて判断すべきものと考えるので継続審査を主張します」
【ひょうご県民連合 中田英一県議】
「(県は)刑事告発を行うべきなのに、疑惑なかったことにして本条例をもって幕引きを図ろうとするのは、(本条例の)目的である信頼回復は到底できるはずもなく、許されない。よって現時点で判断すべきでなく、継続審議と考えます」