斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発した元県民局長の私的な情報が漏えいした問題を巡って、県の第三者委員会が漏えいさせたと認定した当時の総務部長や、「漏えいを指示した可能性が高い」と指摘した斎藤知事や片山元副知事を、神戸学院大学の上脇博之教授が地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで刑事告発しました。
上脇教授は、10日午前10時ごろ、神戸地方検察庁に斎藤知事と片山元副知事、元総務部長の告発状を提出しました。
告発にあたって上脇教授は次のように述べています。
【神戸学院大学 上脇教授】「この事件の本質は、元総務部長の単独犯ではないので、そういう意味で言うと、一番責任の重い知事、元副知事の、命令とか、あるいは認容があって初めてできた、組織的な犯罪だろうというふうに考えますので、私としては、元総務部長だけを告発するのではなくて、知事や元副知事も含めて告発したいということで、やっと告発できたということですね」
■「私的情報漏えい」県の第三者委が元総務部長による漏えいを認定 また「斎藤知事らの指示で行われた可能性高い」と指摘
斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発した元県民局長の私的な情報が漏えいした問題では、県の第三者委員会が当時の総務部長が県議3人に漏えいしたと認定。
さらに漏えいは「斎藤知事や片山元副知事の指示で行われた可能性が高い」と指摘していました。
これを受けて元総務部長は「停職3カ月」の懲戒処分を受けましたが、県は「懲戒処分によって社会的制裁を受けている」として刑事告発を見送っていました。
また斎藤知事も県議会の4会派(自民・維新・公明・ひょうご県民連合)の幹事長から、刑事告発するよう要請を受けましたが、同様の理由で刑事告発しないことを明言していました。
なお斎藤知事は、漏えいの指示について否定したうえで、「情報漏えい」自体の責任を取るため、自身の給与を「3カ月間50パーセントカット」とすることを議会に提案しています。