さまざまな食材が高騰するなか、とても安くなっているのがキャベツ。福島県のスーパーでは一時期、1玉400円近くに上がったというが、今は130円ほどで販売されていた。
■3月の3分の1の値段に
福島県大玉村のスーパー「PLANTー5」は旬の野菜を取り揃える。今、とても買い求めやすくなっているのがキャベツで、6月9日の店頭価格は税抜きで129円。
2024年から値上がりが続き、3月には400円ほどと高騰していたが、今は3分の1ほどとなっている。
PLANTー5大玉店の佐藤明さんは「ゴールデンウィーク明けぐらいから徐々に値段が下がった。産地で天候が安定しているので、順調に生育していることが一番の要因ではないか」と話す。
■夏に向け 他の野菜も
2025年は、生育も順調でサイズもひとまわり大きいという。
買い物客からは「ありがたい。米も高いですし、お肉とかもお菓子とかも上がっているので」「炒めたり、煮たり、温野菜にしたり本当に万能。こうやって頑張っていただけるありがたい」との声が聞かれた。
PLANTー5大玉店の佐藤さんは「これからですと、ジャガイモとか玉ねぎとか、県内産もけっこう出回ってくるので、値段がまたこれから下がってくるのでは」と話すように、これから夏に向けて、キャベツ以外の野菜も値下がりが期待できるという。
■とんかつ店 一日10玉以上使用
鹿児島県産のもち豚を2週間熟成させてうま味を引き出したこだわりのとんかつ。一緒に添えられるのはとんかつの相棒・キャベツだ。福島県二本松市の「カツ亭金色店」では、多い日には一日10玉以上のキャベツを使用している。
この店では、ご飯や味噌汁とともにキャベツも無料でおかわりできる。客は「キャベツが高い時期も、無料おかわりだったのでありがたいと思っていただいてました」と話す。
■安いのはありがたいが…
キャベツの仕入れ値は去年の半分ほど。店にとってはありがたい反面、大切なのは全体のバランスだと考えている。
カツ亭金色店の栗原一裕さんは「今まで利益が薄かった生産者に行き渡っているのであれば、必要な値上げというイメージはある。安くなるのが正しいのではないのかなというイメージもありますね」と話す。
コメに油、キャベツ以外の食材の高騰は続くが、店のこだわりはブレずに守っていきたいという。
栗原さんは「どれだけ元気になってもらって、幸せになってもらうかっていうのが目標。値上げ等ありますけど、おかわりをやめてしまうと僕らのやるべきことを見失ってしまう気がするので、そこはどういう状況であれ今後も継続する気持ちで今やっています」と語った。