福島県・奥会津の伝統工芸品など、職人手作りの商品を購入できるイベント「ふるさと会津工人まつり」が福島県三島町で行われ、ものづくりの魅力を多くの人が楽しんだ。
福島県の内外からものづくりをする職人が集まった、このイベント。職人が手作りした商品を直接購入できるほか、ものづくり体験などを楽しむことができ、6月7日から8日までの2日間で1万5000人が訪れた。
ずらりと店が並ぶなか、特に注目を集めていたのが、山ブドウの蔓を手作業で編み込んだ奥会津の伝統工芸品「編み組細工」。三世代に渡って使えるとされるほど丈夫で、使いこむほど深みのある色に変化していくのが特徴だ。
山ブドウのバッグを10年以上愛用している女性は「10年前ここで買ったやつなのですけど、ちょっと小さくて一回り大きいの欲しいなと思って、そうしたら丁度いいのがあって。どういう編み方で、どういう苦労があってとか聞くと、やっぱり愛着も湧くのですごくいいなと思います」と話す。
奥会津三島町編み組細工「こしゃえる」の三澤龍太さんは、編み組細工の職人の一人だ。母親が愛用していた編み組細工のバッグをきっかけに、その魅力に惹かれて6年前に三島町に移住。修業期間を経て2021年に自分の工房を立ち上げた。
三澤さんは「使うとどんどん劣化していく、悪くなっていくものが多い中で、使えば使うほど良くなっていくという魅力に惹かれて始めた。技術、伝統も含めて後世に残して行きたいなという思いで、自分もそれに貢献できたら」と語る。
人口1300人あまりの三島町。(※2025年5月1日時点)職人の高齢化が進み、技術の継承が課題となるなかで、このイベントは多くの人がものづくりの魅力に触れるきっかけになっている。
奥会津三島編組品振興協議会の五十嵐三美会長は「国の指定を受けている伝統的工芸品ですから、絶やしたくはない。こういうイベントに参加して、やってみたいっていう人は来ています。そういった方、何人かここに移住して来ている若い人もいます」と話す。
2日間で町の人口の10倍の来場者を集めた「会津工人まつり」。2025年も大盛況で幕を閉じた。