備蓄米の販売が、福島県でもゆっくりと広がっている。6月7日(土)には会津若松市のスーパーにも行列ができ、5キロ2000円のコメはすぐに完売した。一方、全国的にも有数の“コメどころ”の会津、「ならではの」反応もみられた。
■2時間前から行列が
6月7日、会津若松市にある「リオン・ドール会津アピオ店」。政府が随意契約で放出した備蓄米を買い求めようと、約180人が列をつくり、午前3時前から並んだ人も。先頭の鈴木一雄さんは「あまり遅く来ちゃうと買えないと思って。昨日のいわきのマルトの600袋は全部完売してたでしょ」と話した。
この日、滝沢店を含む会津若松市内の2店舗でそれぞれ300袋が限定販売された。
リオン・ドール会津アピオ店の笹沼一史店長は「会津地域・米どころというのもありますので、ただそれでも100人超えるお客様に並んでいただけたのは、ありがたいことだと思っています」と話した。
■米どころならでは?温度感
一方、こんな声も…購入した人は「買えないと思って一時間前に来たけど、意外に大丈夫だった」と話す。また別の人は「家が農家をやっていまして、コメがあるので買っていません」と話した。
開店直後に完売となったが、整理券の配布もなく入場制限もなかった会津若松市。対照的だったのが、6日に行われたいわき市での販売だ。
開店前に約500人が並び、整理券はわずか30分で配布終了に。オープン直後から店内は非常に混雑し、入場制限もあった。
全国有数の米どころという側面が、この“温度感”の違いにつながったのかもしれない。
■待ちに待った米を味わう
それでも最前列で並んでいた鈴木一雄さんにとっては、待ちに待った5キロ1980円のコメ。年金暮らしのため、高騰するコメの代わりにソーメンやうどんを食べる日が多くなっていた。
さっそくカレーをかけて食べてみると…「普通のとそんなに変わらないと思う。いくらかは硬いんだよな。元々柔らかい米嫌いだから、硬い方がいいからどっちかっていうと」と話した。
■福島県内での販売予定
福島県内でも広がり始めた備蓄米、リオン・ドールは6月13日(金)に、先行販売した会津アピオ店・滝沢店を含む県内11店舗で販売。その他、県内31店舗は順次販売を予定していて、5キロ税込み2139円。
マルトは、県内全店舗で6月中旬を目指していて、5キロ2139円を目安に販売制限を設ける予定だ。
またヨークベニマルは、6月中旬以降に県内全店舗で販売予定で、混雑を避けるため、販売予告は行わないとしている。