梅雨の時期に注意が必要なのが「カビ」です。

特に恐ろしいのは「目に見えないカビ」。

知らぬ間に健康を害し、重症化する恐れも。

今年もやってきた梅雨の季節。

この時期の悩みといえば…

◆街の人
「カビが嫌いですね。梅雨に入る前に(お風呂場を)拭き上げるようにはしています」
「お洋服にカバーをかけたりとか。お洋服にもカビとかがついちゃうので、気を付けるようにしています」

そう、カビです。

特に今年の梅雨は、例年より気温が高く降水量が多くなる予報で、カビが繁殖しやすい気候になる見通しです。

◆赤木アナウンサー
「店内には特設コーナーが設けられ、カビ対策グッズがズラリと並んでいます」

福岡市・天神の「インキューブ天神店」では、4月中旬から特設コーナーを設置。

約40種類のカビ対策グッズを取り揃えています。

◆インキューブ天神店 原野可菜さん
「(売れ行きは)徐々に伸びておりまして、お買い求めいただけるお客様が増えている。カビができてしまうと取るのも大変なので、カビができないように予防するグッズが売れています」

売れ筋は、カビの発生を事前に防ぐ商品。

中でも一番人気の商品が…

◆インキューブ天神店 原野可菜さん
「『パワーバイオ お風呂のカビきれい』という商品です」

微生物の働きを利用して、置くだけでカビの繁殖を防ぐというこの商品。

お風呂や靴箱、窓など、カビが発生しやすい場所に合わせて8種類を展開しています。

他にも、今後の備えとしてオススメなのが…

◆インキューブ天神店 原野可菜さん
「『カビッシュトレール』という商品です。おうちのエアコンをご自身で掃除していただける商品になっております」

エアコンの吹き出し口にスプレーすると泡が密着し、カビや汚れを洗浄することができます。

◆インキューブ天神店 原野可菜さん
「カビが生える前の準備をぜひしていただきたいなと思います」

そして「カビはただの汚れ」と侮ってはいけません。

放置していると、「見えないカビ」を吸い込み続けてしまい、健康に被害が。

時には重症化し、入院を強いられる恐れもあるといいます。

◆福岡青洲会病院 呼吸器内科 青木亮太 副部長
「環境にもよるが、日常的に何らかのカビがいる。普段からある程度吸い込んでいるものもある。一般的にはアレルギーの範囲になるので、花粉症と同じように、ある時突然なる」

カビなどが原因で発症するという「過敏性肺炎」。

症状は痰の絡まない乾いた咳や発熱など、一見、風邪のような症状が現れます。

◆福岡青洲会病院 呼吸器内科 青木亮太 副部長
(肺のレントゲン写真を見ながら)
「モヤモヤとした白いところ、これが過敏性肺炎を起こしている肺」

これからの季節に流行するのは「夏型過敏性肺炎」と呼ばれますが、その原因が…

◆福岡青洲会病院 呼吸器内科 青木亮太 副部長
「『トリコスポロン』というカビの種類」

目に見える黒カビなどとは異なり、胞子という形で空気中に浮遊する「トリコスポロン」。

エアコンや浴室などの湿気が多い場所に潜んでいて、在宅時間が長い人は特に注意が必要だといいます。

もし、症状を軽視し慢性化してしまうと、恐ろしい状態に…

◆福岡青洲会病院 青木亮太 副部長
「肺が硬くなって、上手く肺が膨らまなくなってくる。重症化すると、酸素が必要だったり、あとはステロイドの薬を使わないと、なかなか炎症が収まらないとか、そういったところについては注意は必要」

知らぬ間に健康をむしばむ目に見えないカビ。

実はトリコスポロンの他にも危険な種類が。

梅雨に増えるカビには一体どんな対策が必要なんでしょうか?

「アスペルギルス」という土の中に生息しているカビで、土埃と一緒に家の中に入り、エアコンのフィルターや家具の裏にたまります。

この「アスペルギルス」を吸い込んでしまうと肺炎を起こす可能性があり、免疫の弱い人が吸い込むと死亡する恐れもあるそうです。

対策は、こまめに掃除や換気をすること。

そして除湿器を利用することも効果的だということです。

そしてもうひとつ、「エクソフィアラ」というカビです。

お風呂に生える黒カビの一種で、植物にも付着することがあるそうです。

さらに、傷口から体内に入ると、まず皮膚で炎症が起きて、その後、脳やほかの臓器に転移する恐れもあります。

対策としては、浴室をしっかり掃除するほか、ガーデニングの際に手袋をすると効果的だということです。

テレビ西日本
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