8日に梅雨入りした九州北部地方では11日にかけて大雨となるおそれもあり、気象台が注意を呼びかけています。

こうした中、9日午後3時半から福岡県朝倉市の原鶴温泉地区で行われた式典。

長らく待ち望まれていた浸水対策設備が完成しました。

◆原鶴温泉旅館組合 井上善博 組合長
「このポンプ施設の完成により、豪雨時の排水能力が大きく向上改善し、今後は安心して日々の暮らしや仕事を続けることができます」

この原鶴温泉地区といえば…。

◆泰泉閣 林里実 室長(2023年)
「ここに冷蔵庫が並んでたけど、なぎ倒されるくらいで、私のこの辺くらいまできてたと思います。お庭を見ながら、特別なお部屋ということで作っている。まさかここもつかるとは…」

原鶴温泉地区を代表する老舗旅館「泰泉閣」。

2年前の大雨で、大規模な浸水被害に見舞われ1カ月の休業を余儀なくされました。

泰泉閣が浸水被害を受けたのは、それまでの10年で実に4回。

被害が頻発する理由は…。

◆泰泉閣 林里実 室長(2023年)
「水がここに流れて、放水路に水をはけさせる役割。とてもこんな大きさとか深さじゃ水がはけないので、ここが調整していれば、うちはつかることはないが…」

原鶴温泉地区は九州最大の1級河川・筑後川と、洪水を防ぐために人工で作られたいわゆる分水路に囲まれています。

大雨の際は、地区内にある調整池の水をポンプを使って排出する必要がありますが、これまでは排水が追い付かず調整池からたびたび水があふれて、浸水被害をもたらしていたのです。

そこで今回、導入されたのが…。

◆記者リポート
「きょうからこの調整池に設置されたのがこちら6台のポンプ。従来の6倍を超える量の排水が可能になるということです」

1分あたりで排水できる量はこれまでの16トンから98トンと大幅に増えました。

さらに排水能力を高めるため、調整池への流入口を1ヵ所から3ヵ所に増やす工事も進められていて、まもなく完了する予定です。

◆朝倉市 建設課 西田茂 課長
「床上浸水をゼロにするために計画しているので、一番は床上浸水がゼロになることを期待」

◆泰泉閣 林恭一郎 社長
「ここ数年続けざまに浸水被害にあっていましたので、毎年この時期が来るのが恐怖心すらありましたが、このポンプが設置されることで旅館も地域に住んでいる方も安心して生活ができるようになると思います」

各地で進められている大雨対策。

10日は福岡でも警報級の大雨となるおそれがあり、気象台が警戒を呼びかけています。

テレビ西日本
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