舟形町で、地域に愛された商店が相次いで閉店し、買い物ができなくなったお年寄りのための「買い物バスツアー」が行われた。今回は試験運行だったが、好評につき定期運行される見通し。
役場から借りたマイクロバスが集合場所に到着した。
舟形町で7日に行われた「買い物バスツアー」。
(参加者)
「感謝です。みなさんのおかげでありがとうございます」
「何よりも楽しみにしていた」
お年寄りたちはこれまで地元の商店に歩いて買い物に出かけていた。
しかし、2024年の暮れから2つの店舗が相次いで閉店。買い物とおしゃべりを楽しむ場所が失われた。
(参加者)
「残念でした。やっぱり食べるものが買えなくなったから」
「刺身やら焼き魚やら煮魚やら、あと日用品。雑貨屋だったので子どもの文房具なども。だからこの機会にみんなにも会えると思って参加した」
企画したのは、町から財政支援を受けている堀内地区の地域運営組織「堀内ハマグリの貝」。
チラシを全戸に配布して参加を募ったところ、9人から応募があった。
(堀内ハマグリの貝・荒澤広光副会長)
「『“あめ玉を新庄に行ったら買ってきて”と、嫁や息子に言いづらいのよ』という声がきっかけ。店に3~4人集まって世間話をする場がなくなってしまった。それが最も心配だった」
参加費は保険料としての100円のみ。ガソリン代などは町からの助成金でまかなう仕組み。
試験運行の今回は、新庄市の衣料品店とスーパーをめぐった。
買い物する機会が減り、家にこもりがちだったというお年寄りたち。
(参加者)
「買い物は楽しい。目移りしてなかなか買えない」
「ルンルンですね。ルンルンルンルン♪ 楽しいです(笑)」
思う存分、買い物を楽しんだ。
(参加者)
「最高です(笑)」
「旦那に焼酎をお土産です。大好き。もう何年も会っていない人にも会えて楽しかった。(Q.次回企画されたら)来ます!」
買い物バスツアーは大好評で、定期運行される見通しとなった。
(堀内ハマグリの貝・荒澤広光副会長)
「今回の事業は買い物が目的だが、このバスの中の雰囲気、これが一番大事だと思っている。2回目・3回目と続けていきたい」
買い物とおしゃべりで生きがいを感じてもらうバスツアー。
定期運行初回となる次回は7月上旬に行われる予定。
笑顔で買い物はもちろん、おしゃべりも楽しい時間だっただろう。
みなさんの表情から、大成功だったことが伝わってくる。
国は2024年、スーパーなどが近くになく自動車も使えないため、買い物が困難な65歳以上の「買い物弱者」が、全国で900万人を超えたとの推計を発表した。
これは全国の65歳以上の4人に1人に当たる。
山形県の人口が100万人を割ったと先日発表があったが、こうした取り組みが今後より一層重要度を増してくるのではないだろうか。