6月9日朝、仙台市内で目撃されたのは、横断歩道を勢いよく走り抜けるカモシカです。歩行者の目の前を横切り、林の中へ。
撮影者
「散歩中に逃げ出した飼い犬かと思った。車と同じように走って行ったので、危なそうだなと思っていた」
記者リポート
「カモシカの目撃現場です。東北福祉大学まで300メートルほどの距離で交通量、人通りともに多い交差点です」
幸いにも、けがをした人はいませんでした。カモシカは8日、仙台市青葉区桜ヶ丘でも。
記者リポート
「私から5メートルほど離れた崖の上にカモシカがいます。あっ!上に登って行きました」
取材中の記者が目撃した白いカモシカ。こちらをじっと見つめてたたずんでいます。警察などが警戒にあたりましたが、カモシカは3時間ほどでどこかへ姿を消しました。
目撃情報は石巻市からも寄せられました。「あゆみ野駅」前の線路沿いを走るのは列車ではなく、カモシカ。
撮影者
「映像だけ見るとシュール。ただ走っていく感じ。『どこに行けばいいんだ』と言っている感じ。さすらいのカモシカですね」
おととしには、仙台駅から約2キロの若林区石名坂で、道路の真ん中を右へ左へと走り回るカモシカが撮影されました。なぜ、市街地への出没が相次いでいるのでしょうか?
仙台市教育委員会文化財課 川后のぞみさん
「もともとは山だった所を開発した結果、人間のほうが入ってきた。カモシカは普段見かけないだけで、いるもの」
カモシカは明治期以降の乱獲により、一時3000頭にまで激減しました。1955年に国の特別天然記念物に指定されたことで、生息数は推定9万頭にまで拡大。さらにこの時期は、餌を求めて山から平地に下りてきているのではとみられています。
仙台市教育委員会文化財課 川后のぞみさん
「カモシカ自体は人間に危害を加える動物ではない。こちらから近付いたりせず、温かく見守ってほしい」