物価の上昇により、ランチ代の高騰も続いている。そんな中、お客にこれまで通りの価格でお腹いっぱい食べてもらおうと、1000円以下で海鮮丼を楽しめる店が新潟市西区にある。お客だけでなく、従業員にも温かい食堂を営む店主の思いを取材した。
■物価高の中…950円で楽しめる“海鮮丼”
新潟市西区にある『くろとり食堂』。
ラーメンや唐揚げなど約40種類の定食メニューがあり、開店と同時に満席になる人気店だ。
人気の理由の一つが“価格の安さ”。日替わり定食は、なんと650円!
店主の澤口卓さんは、「うちはオープン当初の10年前から値段は変わらずやっている。皆様、物価が上昇してもお給料は上がっていないので、だったら皆様と同じ目線でお仕事したいなと思って、うちも薄利だけど頑張ってやっている」と話す。
来店客に安く提供するため、澤口さんが市場で直接仕入れたり、ロスを減らす工夫をしたりしながら、値段・量を変えずに提供している。
そんな食堂で人気なのが、日替わりでネタが変わる〈特別海鮮丼〉。お値段はなんと950円!
この日は、ブリ・ビンチョウマグロ・アジ・クロソイ・コチ・赤エビがのっていた。
これには来店した客からは「安くてこれだけ入っているものは、なかなかないので満足」「午後からも仕事頑張れそう!」などの声がきかれた。
■障がい者雇用にも力「もっと活躍できる世の中に」
食堂が大切にしているのは、お客だけではない。
「障がい者雇用もしているので、障がい特性を持った方、17人と一緒にやっている」
「障がいがある人がもっと活躍できる世の中になってほしい」という願いから、障がい者雇用にも力を入れていて、調理の手伝いや食器洗い・接客などを担当している。
スタッフの働きぶりに、澤口さんも刺激をもらっているようだ。
「誰が見ても障がい特性を感じることもないと思うし、厨房の中を見ていただいたら、誰もが絶句するくらいすごく働いてくれる。うちもこの子たちがいるから励みになって、負けてられないというのもある」
地域住民に愛される食堂は、スタッフの心も満たす温かい食堂だ。