今、全米を揺るがしているSNS上のののしり合い。
トランプ大統領に「ヤツはおかしくなった!」と名指しされたのは、実業家のイーロン・マスク氏。

すると、そのマスク氏もトランプ大統領を念頭に「悪いがもう我慢できない。投票したやつは恥を知れ」とSNSに投稿。

マスク氏はトランプ氏の大統領選を資金面で支え、つい先日まで政権の一員としても支えてきた人物。
突然の対立はなぜ起こったのでしょうか。

トランプ大統領:
ご存じの通り、イーロン(マスク氏)と私は素晴らしい関係を築いてきた。これからもそうなるかはわからない。

すでに2人の対立が明るみになっていた現地時間の5日、ホワイトハウスでトランプ大統領は「イーロン(マスク氏)にはとても失望している。大いに支援してきたのに」と明言しました。

両者の対立の原因が現在、トランプ政権の看板政策となっている“減税法案”。

この法案についてマスク氏はXに「この法案により、既に巨額となっている財政赤字が2.5兆ドルにまで膨れあがり、国民に耐えがたいほどの負債を背負わすだろう」と投稿。

さらには、「トランプ関税により今年後半は景気が後退する」と政策を猛批判したマスク氏。
こうしたマスク氏の反発についてトランプ大統領は減税法案が、電気自動車への補助金削減などを含みマスク氏がCEOを務めるテスラ社にも影響が及ぶためだと指摘。

そして「イーロン(マスク氏)が私に背を向けるのは構わない。だが、だったら彼は何カ月も前にそうすべきだったはずだ」とSNSに投稿しました。

こうした両者の非難合戦は、ここにきてさらにエスカレートすることに。

マスク氏は一時、アメリカの宇宙開発事業に欠かせない「スペースX」の宇宙船を引き上げると投稿。
この投稿は後に削除されましたが、トランプ氏に向けて「本当に大きな“爆弾”を投下するときが来たようだ。ドナルド・トランプの名は“エプスタイン・ファイル”に含まれている」と別の爆弾を投稿したのです。

エプスタインとは複数の少女らに対する性的虐待罪に問われ、後に獄中で自殺されたとされる実業家。
そのエプスタイン元被告と関係の深い人物が記された文書の中に、トランプ大統領が含まれているとマスク氏は指摘したのです。

トランプ氏は記者から「“エプスタインのファイル”についてマスク氏が主張していることに何かありますか?」と問われるも、返答はありませんでした。

一方、今回の騒動を受けマスク氏が率いるテスラ社の時価総額が22兆円減少するなど、今回の決裂は双方に少なからぬ影を落としそうです。

フジテレビ
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国際取材部
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