「ペットは家族の一員」といわれる時代。
今、ペットの家族化がますます進んでいます。
それに伴って、ペット用の商品やサービスにも変化が起こっています。


週末の早朝、マンションの前で、犬を引き取る女性。
受け取ったのは、オスとメスの小型犬です。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
Q:性格があるんですか?
「あります。(それぞれが)全く違います。みんな違う。人間と一緒、人間の子供と一緒」

到着したのは、広島市内の1軒の住宅です。松浦三佳さんは、今年、3月から、自宅で、イヌの預かりを始めました。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「ここはホテルというよりも、ペットシッター。私が(イヌに)寄り添って一緒に過ごすので、ペットシッターでお預かりしている形」

この日、宿泊するのは、オスのマルチーズ「まる太君」(4歳)と、マルチーズとチワワのミックス犬、メスの「はなちゃん」(4歳)。
松浦さんが、飼い主から渡された資料には2匹の事が、細かく書かれています。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「すごいですね。飼い主がめちゃくちゃこの子たちをかわいがっているのが、すごく良く分かる」

イヌが遊ぶ玩具。ニンジンの下におやつを隠し、見つけたら、引き抜いて食べるというものです。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「玩具にしても、人間が使うような知育道具とか昔はなかったと思う」

ほとんどのペットホテルは、イヌ同士の事故を防ぐためケージなどに入れて管理します。
しかし、最近はペットを飼育する環境に変化が起きています。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「家族化しているので、ペットというよりも家族なので、一緒の空間で(ペットと)寝食を共にするというスタイルの人が多いので、サークルで過ごすのがイヌという位置づけだったが、今は(サークルを)置いてある家があるのという感じで、この前も言われて」
Q:ケージに入ったことがない?
「そうだから余計にパニックを起こす。たぶんこの子たちも(ケージに)入ったことがない」

ケージやサークルに入れないイヌもいます。新たなニーズに対応するために松浦さんが始めたのが、「ぬくもりあふれる、犬たちの宿、ワンコ亭」なのです。

1日1組限定のプレミアムコースは、ケージやサークルには入れず、できる限り寄り添って過ごします。

散歩は基本、1日に2回。全ての子が散歩好きとは限りません。
散歩が苦手な子もいますが、それぞれに合ったやり方で散歩します。

食事も1日、2回。
スプーンで食べる子もいれば、手からでないと食べない子もいます。
それぞれに合ったやり方で細やかに世話をする。
それが、松浦流です。

そして、極めつけのサービスがこちら。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「きょうは泊まるんよ。修学旅行みたいだね。一緒に寝るんよ」

松浦さんは、預かったイヌたちと一緒に寝ます。
添い寝までするという徹底ぶりなんです。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「見学に来てもらって、どういうふうに過ごすか見てもらって、OKだったら預かるというようにしている」

今年、3月から始めた松浦さんのワンコ亭には、神奈川、大阪など県外からの問い合わせが多く寄せられています。

【ぬくもりあふれる犬たちの宿 ワンコ亭 松浦三佳 代表】
「ストレスが全くかかっていないと言ったら嘘だと思う。ここは自分の家ではないので、だけど極力寄り添ってあげるという事が、私がしてあげたい事」

月曜日の朝、飼い主が2匹を迎えに来ました。

【飼い主】
Q:こんな場所はないのですか?
「ないです。ケージならまだ家にありますが、何段にもなって(ケージが)おりのようになっている所はかわいそうと思って、なるべくストレスのない所を探してあげようと思って」

こうして、2匹にとって初めての泊りが終了しました。

ペットの家族化が進む中、ペット用の商品にも、変化が起こっています。

先月、広島市内で開催された保護動物の譲渡会。
ブースで販売されていたのは、ペット用の石鹸です。
この石鹸は、生まれつき肌の弱かったわが子のために作り出した石鹸でした。

【B型福祉事業所ポレポレファクトリー・菊田順一 代表】
夜にかゆがっている姿を見たり、ただれていたりしたことを見るとやっぱりかと。辛そうな娘を見て何とかしてやりたいと、調べていくうちに石鹸にたどり着いた」

この石鹸は、広島市内の福祉事業所で作られています。
西条の酒粕を酒の仕込み水で練りこんだ酒かす石鹸に、ヨモギなどの自然の素材を加えて作った石鹸です。

【B型福祉事業所ポレポレファクトリー・菊田順一 代表】
「石鹸は基本、水と油を練って作るものですが、油を乳化させる時の薬剤を使わない、いわゆる界面活性剤やカセイソーダを使わず固める石鹸になっています。ひと言でいうと365日毎日安心して使える石鹸」

手間暇かけてつくるため1日に8個が、精いっぱいです」

【スタッフ】
「空気が入らないように押し込んでやっているつもりですが、完全にはできてなくて」
Q:全部手作業ですか?
「手作業です」

この石鹸をペット用に使おうと思い立ったのは、菊田さんのある経験からでした。

【B型福祉事業所ポレポレファクトリー・菊田順一 代表】
「盲導犬を連れてくる(施設の)利用者がいたのですが、盲導犬に(石鹸を)使ったら今まで使ったペットシャンプーのどのシャンプーよりも良かった。毛がフサフサになって、つやつやになって明らかに質感が変わったというので」

動物保護活動に携わるボランティアたちはペットの肌トラブルが多いと指摘します。

【動物愛護団体 ワンミャツダクラブ 荷堂美紀 代表】
「皮膚が弱くて、皮膚で病院に通っているイヌやネコもいるし、子犬や子猫はまだ(皮膚が)強くないので、結構頻繁に肌のトラブルがあったりする。子犬は頻繁に洗わないといけないので強い洗浄力のシャンプーで洗うとときどき心配な時がある」

「ペットは家族」といわれるようになった現代。動物と暮らすことが、様々な価値を生み出しています。

【動物愛護団体・ワンミャツダクラブ 荷堂美紀 代表】
「ただ生きているのではなくて、クオリティの高い生活を長くしてもらいたいというのは家族の一員として、そこにかける気持ちもお金も時間もみんなかけていく傾向にあるし、私もその1人だと思います」

<スタジオ>
ペットは、私も岡野さんも実家で犬飼ってますから気持ちはよくわかりますね。

【岡野キャスター】
同じ布団で寝ますし、お誕生日会もします。できれば一緒に行けるカフェに行きます。
【加藤キャスター】
わかりますよね。本当に家族の一員だっていうふうに思いますし、猫が生み出す経済効果のことをネコノミックスといって、これが2兆円規模だというふうにも言われてます。それほど多くの方がペットを飼っているということなんですが、もちろん家族の一員ですから、最後まで責任を持って飼っていく飼い主の責任というところも忘れずにやっていきたいなと思います。

テレビ新広島
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