随意契約によって売り渡された備蓄米の店頭販売に向けた準備が進む中、米から作られるおやつの定番にも値上げの波が及んでいます。
30日朝、新潟・長岡市に到着したトラック。
積まれていたのは、2022年産の備蓄米、いわゆる「古古米」です。
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営する会社に随意契約で売り渡された備蓄米が、精米作業を委託する工場に運び込まれました。
精米工場では、消費者のもとに早く届けるため、通常の1.5倍の効率で稼働しているということです。
ドンキ印の備蓄米は、ブレンド米として週明けにも都内の店舗で販売が始まるとみられ、価格は2000円前後になるということです。
さらに、30日からは2021年産の備蓄米「古古古米」の随意契約による売り渡しの受け付けが始まりました。
小泉農水相:
隅々にまで、できる限り広く多くの方に備蓄米が届くように、そんな思いで新たな随意契約を始めます。
その小泉農水相は30日午後、神奈川県内にある備蓄米倉庫を視察。
米の保管状態などを確認し、「こんなに素晴らしい管理しているの世界になかなかないのではないか」と胸を張りました。
備蓄米の流通が広がりを見せる一方で、米価格高騰の波は米から作る伝統的なお菓子にまで及んでいました。
専用の窯の中で膨らむ生地。
焼き目がついて出来上がったのは、国産米100%のせんべいです。
創業当時から変わらない焼き方で、昔ながらの味が守られています。
材料となるのは米から作られた生地ですが、その仕入価格にも影響が出る恐れが高まっています。
谷中せんべい・髙柳忠志さん:
11月くらいからお米の価格が確実に上がるのではという話が出てて、(もし仕入れ値が)倍になったら10円(の値上げ)ではすまないですよね。
1枚100円ほどで買える手作りせんべい。
値段を変えないためにも別の米を使うことも選択肢の1つだと考えています。
谷中せんべい・髙柳忠志さん:
小泉大臣が、古米とか古古米食べておいしい、これはみなさんに食べてほしいと。値段がもし大幅にあがるなら、古米、古古米を使ってせんべいを焼いてみる。1つの案には出てくるのかと思います。