勾留中に適切な治療を受けられず右目の視力をほとんど失ったとして、男性が国に損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁は訴えを退けました。
大阪拘置所に勾留されていた男性は、2019年に医師に糖尿病の合併症である網膜症と診断されました。
男性は専門的な病院での治療ができるよう数回にわたり保釈請求をしましたが、裁判所は認めず、右目の視力は矯正がきかないほどに悪化。
男性は、適切な治療が受けられなかったとして、2022年、国に損害賠償を求めて提訴しました。
29日の判決で、大阪地裁(成田晋司裁判長)は、「裁判官の責任が認められる特別な事情がない」などとして男性の請求を棄却しました。
【男性の代理人・水谷恭史弁護士】
「裁判官は一切耳を貸さなかった。こんな人たちに本当に人権保障の砦を任せていいのかという意味ではきわめて遺憾だし、憤りを覚えています」
男性側は、控訴する方針です。