次は熊本市電の話題です。
来月、6月1日から運賃が値上げとなります。
市電では全国交通系ICカードについても、継続か廃止か検討が続いています。
運賃値上げと支払い手段、利用者を取材していたら意外なことが分かりました。
熊本市電は6月1日から、現在180円の均一運賃が20円アップして200円となります。
【利用者 学生】
「高いし(影響が)大きいですよね」
【利用者 男性】
「しょうがない。まあバスより安いから」
市交通局の試算によると今回の値上げで、今後3年間の赤字が約5億円削減できるとしていますが、マイナス収支は続き、交通局へは今年度も市の一般会計からの繰り入れが予定されています。
市交通局は乗務員の処遇改善や設備の更新に取り組む方針です。
【熊本市交通局総務課 北添友子課長】
「真摯に安全に対して取り組む姿を見ていただくしかないと思っている。そうじゃないと理解は得られないという覚悟をもって(取り組む)」
【尾谷いずみアナウンサー】
「ところで県内のバスと電鉄電車では去年11月から使えなくなった全国交通系ICカード。熊本市電では現在も使える状況ですが、この先どうなるかはまだ決まっていません」
高額な機器更新費用がネックとなり、市電もいったんは全国IC廃止の方針を示しましたが、 市議会からの要請を受け再検討している状況です。
市交通局によりますと、今月初め、国交省から「全国IC決済機器の単純更新でも
費用の3分の1を補助する」という通知が来たということです。
市は「利用者の意見なども聞き、結論を出したい」としています。
29日、利用者に現在の支払い手段を聞いてみると、意外なことが分かりました。
【利用者・女性】
「現金」
Qどうして?
「交通系カードが使えないということだったから」
Q市電は使えます
「あ、使えるんですね」
【利用者・女性】
「現金」(どうして)
「ICカードが使えなくなったから」
Q市電は使えます
「そうなんですか}
【福岡からの利用者・男性】
「交通系ICが使えないと聞いたので現金」
Q市電はICカード使えます
「使えないと思ってました」
実は私は何人もの方と、このやりとりをしました。
バスと電鉄電車では、去年11月から全国ICは使えませんが、市電も使えないと思っている人が多い?
そうなんです。
で、現在の利用者の運賃支払い手段の状況を市交通局に聞きました。
市電で一番多いのは全国ICで34.5%でした。
そして2番目が現金で23.8%。
3番目が地域限定型のくまモンのICで15.8%。
クレジットカードによるタッチ決済が6.9%などと続きます。
全国ICは使えないと思い込んで現金で支払っている人が多い、かもしれない現状も
見えています。
乗客の利便性やニーズをとらえた判断がどうなるのか注目です。
来月から運賃値上げ、そして何よ去年から続く運行トラブル、安全運行の再構築が何より最優先の市電についてお伝えしました。