街中や駅構内などで意図的に体をぶつけてくる悪質なぶつかり行為。
一向になくなる気配がありません。

29日の「ソレってどうなの？」は、「追跡？通報？“ぶつかり行為”どう対応」をテーマにお伝えします。

人混みなどで、すれ違いざまわざとぶつかる行為。
SNSなどでは「ぶつかりおじさん」や「体当たり女」などと呼ばれています。

福岡県内では、女性にぶつかった疑いで男を逮捕。
東京・新宿では、すれ違う女性に荷物を持った女が体当たりする動画などがSNSで拡散されています。

また、朝の通勤ラッシュでにぎわうJR山手線の田町駅で起きたケースでは、男性が男と肩がぶつかったあと、頭を殴られひざ蹴りを受けるなど暴行を加えられたといいます。

こうしたぶつかり行為は、最近もSNSで被害報告が相次いでいます。

では、街の人は遭遇したことあるんでしょうか？

ぶつかり被害に遭った女性からは「中学校3年生くらいのとき、電車内に寄りかかっていた。端に座りたかったか寄りかかりたかったと思うが、足を踏まれたり、降りるときにすごくぶつかられて『すみません…』って。絶対わざとだと思います、3～4回足踏まれたので」「仕事の帰りになぜか肩でガッとやられて、満員電車で狭かったので、人と触れるのが嫌だったのか。わざわざ当たらなくてもいいんじゃないというときに、おばさまが肩で。60代くらい」といった声が聞かれました。

調査会社のアンケート結果によりますと、「ぶつかられたことがある」という人は全体の14％、目撃した人も6％に上っています。

被害に遭った経験を男女別に見てみると、女性の割合がやや高くなっています。

地域別では、1位が東京都の545人で2位が大阪府、3位が神奈川県と続き、人口の多い地域が上位となっていました。

ただ一方で、北海道や沖縄などでも被害者はいるため、ぶつかり行為は全国的に発生しているようです。

では、ぶつかられたあと、どうしているのでしょうか。

実は、すぐにその場から離れたという声が多く上がっているんです。

後ろから歩いてきた30代くらいの2人組の男に肩をぶつけられ、舌打ちをされた女性は「やり過ごすしかない。いてもおかしくないので。チッて（舌打ち）されるとさすがに疑問に思う」と話しました。

この調査会社がアンケートを行った理由は、女性社員がぶつかり行為の被害に遭ったためだといいます。

ぶつかり被害に遭ったアイコニット・リサーチ　担当者：
意図的だなと思うのは、いったん体を引いてから思いっきり肩からぶつかってくる。すごく不快。なぜ自分がこんな目に遭わなきゃいけない。歩きスマホをしていたわけでない。普通に歩いているだけでぶつかってくるのは全然意味はわからない。どれくらいの方が被害に遭っているのか、どういう状態だったのか調べてみたい。

では、被害に遭わないためにはどうすればいいのかについて、橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士に聞くと「スマホなどを見て画面に集中している方を狙う傾向もある。周りに多くの人がいる中で、一点に集中するようなことはしない方がいい」ということでした。

それでも被害に遭う場合も考えられます。
その場合の対処法はあるんでしょうか？

橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士：
ぶつかられた後に追いかけて報復を加えると過剰防衛、罪が成立してしまう可能性。その人に「わざとぶつかられましたよね」というような話をするのも一つ。怖ければ駅員や警察に相談する対応が必要。証拠が必要になるので、（駅員や警察に）「防犯カメラ等の映像を確認させてほしい」と申し入れる。

故意か偶然かは、防犯カメラなどの映像から判断することが多いといいます。

そして重要なのは、意図的にぶつかる行為は暴行罪に当たる可能性が高いということです。

ぶつかり行為は罪に問われる危険な行為です。
絶対にやめてください。