岩手・北上市で28日、約7時間にわたって居座った成獣とみられるクマ。
FNNのカメラが、逃走までの一部始終を捉えていました。

現場は東北自動車道・北上江釣子IC付近。
近くには商業施設があり、約10メートル先には住宅が立ち並ぶエリアです。

28日午後2時半ごろ、通りかかった人が発見し、通報しました。

警察や猟友会による警戒が続けられる中、クマは夜になってもその場を離れません。

近所の住民：
住宅街とかアパートも結構多いので、早く何とかしてほしい。

獣医師も駆けつけ、麻酔銃の使用が検討されましたが、麻酔が効くまでに暴れる可能性があり危険と判断され、付近にわなを仕掛けて捕獲を試みることにしました。

28日午後9時半ごろ、クマをおびき出そうと、市の職員がフェンスの外側にクマの好物とされるハチミツを塗りました。

するとクマは立ち上がり、フェンスをよじ登って乗り越え、ハチミツをペロペロとなめ回しました。

なめ終わると、クマは移動を開始。
しかし、おりに入ることはなく、住宅街付近を通って川の方向へと逃げていきました。

28日に目撃されたクマの別の映像。
日中、道路を悠々と渡っています。

クマは一夜明けた29日も、約3kmほど離れた水田で目撃されたということです。

気温の上昇とともに、各地で目撃されるクマ。

27日夜、北海道・松前町で目撃されたヒグマの映像です。

自宅の外にいた60代の女性がガサガサという音を聞き確認したところ、約20メートル離れた草やぶの中にクマがいるのを見つけたということです。

富山県でもクマの出没が相次いでいます。

クマに襲われ、けがをした男性がFNNの取材に答え、当時の様子を語りました。

クマに襲われた男性（60代）：
ここですね。牙が食い込んだわけです。クマがうなりながら、うぉーと言いながら人を襲ってくる。正直怖かったです。

男性は5月3日、富山・南砺市内の山で山菜採りをしていた際にクマと遭遇。
いきなり襲ってきたといいます。

クマに襲われた男性（60代）：
やるしかない、抵抗するしかないということで、1分くらい格闘していた。

その後、クマが山の中に去ったため、男性は軽いけがで済みました。

富山県では2025年に入って、クマの目撃情報が5月27日までに26件寄せられています。

ねいの里自然博物園センター・間宮寿頼館長補佐：
昨年度、秋の堅果類の状況が良かったので、子連れのクマが多い可能性もあるので、十分注意していただきたい。

2024年の秋にクマの餌となるドングリが豊富だったことから、栄養不足による流産が少なく、子連れのクマの出没が増える可能性があると指摘。

一層の注意が必要です。