市販されているナイロンの釣り糸に海で分解されるものがあることを、愛媛大学の教授らの研究グループが世界で初めて発見したと29日までに公表されました。マイクロプラスチックなどによる海洋汚染の歯止めが期待されるとしています。

発見をしたのは、愛媛大学南予水産研究センターの日向博文教授のほか、東京大学や九州大学の教授らとの研究グループです。

この研究では、これまで海では分解されないとされていた市販のナイロンの釣り糸の中に、分解されるものがあることを突き止めました。このナイロンは、「ナイロン6」と「ナイロン6,6」が一定の割合に入る範囲で混合したものです。

研究グループは愛南町の海で2023年から2024年の間、市販されているナイロンの釣り糸の3商品を使い、海面付近と約25メートル下の海底で糸の表面の凸凹の状況を約1カ月ごとに調査。今回の世界で初めての発見に至りました。

特に海底でよく組織の崩壊が進んでいて、日向教授は「海底の泥に近い方に分解を進める微生物が多くいるのではないか」と予想。メカニズムを明らかにしていくとしています。

日向教授らは今回の発見を「これまでの常識を完全に覆すもの」と評価。マイクロプラスチックによる生態系への悪影響や海洋汚染が世界的な問題になるなか、今後は自然分解するプラスチックが漁業に展開されることを期待しています。

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テレビ愛媛
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