国内外から作品が集まりました。
27日、鹿児島県枕崎市で現代アートの国際コンクール展の最終審査会が行われました。
834点から大賞に選ばれたのは?
3時間以上かかった審査の様子を取材しました。
美川愛実キャスター
「審査員のみなさんは作品をじっくり眺めたり、時おり議論を交わしながら審査を進めています」
27日、枕崎市文化資料センター南溟館で行われたのは、今回で4回目となる現代アートの国際コンクール展、「枕崎国際芸術賞展」の最終審査。
国内外から834点の作品が寄せられ、1次審査を通過した95作品が審査されました。
審査員は霧島アートの森、館長の河口洋一郎さんや、画家で東京藝術大学名誉教授の保科豊巳さんら4人です。
染色アーティスト 東京藝術大学名誉教授・上原利丸さん
「普段の生活と表現が密着しているのが今の時代にすごく合っている」
画家 東京藝術大学名誉教授・保科豊巳さん
「『絵画はただ絵の具を使えばいい』というのではない発想が次の新しいものを生み出す気がして」
会場では枕崎市民もその様子を見守りました。
3時間以上に及ぶ審査の末、準大賞に選れたのは・・・
福岡県・末次健二さん作の『子どもたちのためにうさぎの着ぐるみを着る父親のパペット』。
うさぎの着ぐるみを着た男性。
額には汗がにじみます。
制作者が現代社会で子育てを経験して感じた多様な親の姿と、子どもたちに向けた愛が表現されています。
そして、満場一致で大賞に選ばれたのは・・・
東京都在住のフォトグラファー、小山恭史さんの作品、『無明-鹿児島-』です。
全国各地を旅して、その土地を写真に納める小山さんが鹿児島で撮影した看板やロゴマークが印刷されています。
その奥には特攻隊員を思わせる写真が。
審査中にはこんなやりとりがありました。
アーティスト 霧島アートの森館長・河口洋一郎さん
「見れば見るほど味わい深く深さが出てくる」
画家 東京藝術大学名誉教授・保科豊巳さん
「この写真を知っていてずっと見ていたのでうるっとくる。うるっときたところに現在の街が見えてくるので言葉に言えない何かを感じる」
「未来を感じられるような若い出品者が増えているところが次の時代を作る原動力になっていくと思って、楽しみにしています」
今回の入選、入賞作品は南溟館で7月21日から開催される「枕崎国際芸術賞展」で展示されます。