秋田県内では連日クマの目撃情報が寄せられています。もはやいつ、どこに現れるか分からないクマの存在は、シーズンを迎えた観光地に影響を及ぼしています。安全に客を迎え入れるためにはどうしたらいいのか、施設は頭を悩ませています。
北秋田市の伊勢堂岱遺跡では、遺跡はもちろん隣接する縄文館の周囲約1.5キロにわたり、電気柵を設置しています。クマが施設に近づかないよう2018年から継続して設置しています。
北秋田市文化スポーツ課の榎本剛治係長は「遺跡自体は電気柵を張り巡らせて対策しているし、今年度も周辺のスギを伐採して、地域の人たちと共に遺跡にクマが寄り付かない環境をつくっていきたい」と話します。
ところが25日朝、近くでクマが目撃されました。目撃されたクマは遺跡の方向に向かっていたことから、遺跡では安全を最優先に考え、25日は1日閉鎖を決めました。
27日は安全を確認した上で営業されましたが、遺跡は今後、状況に応じた対応を迫られることになりそうです。
北秋田市文化スポーツ課・榎本剛治係長:
「その時々の状況に応じて対策をすることでお客さんの安全を守っていきたい」
電気柵を設置してからは敷地内でクマの姿は確認されていませんが、観光シーズン中、クマの存在に翻弄(ほんろう)されることがないことを祈るばかりです。
市街地でも目撃情報が相次いでいます。
鹿角市花輪では27日午前7時半ごろ、近くに住む人が鹿角市民プールの敷地から体長約1メートルのクマが出てくるのを目撃しました。
市によりますと、その後も周辺で同じ個体とみられるクマが目撃されていて、警察や市が対応にあたっています。