年金制度改革法案の修正内容について、与党と立憲が先ほど合意しました。
基礎年金底上げの話は耳に心地よくても、財源論は先送りになりました。
今回、試算でマイナスに該当する世代の方々に話を聞きました。
27日午後に合意した年金制度改革法案の修正内容について、シニア世代から聞こえてきた嘆きや怒りの声。
その声は、石破首相にどのように届くのでしょうか。
この法案を巡っては、先週の党首討論で…。
立憲民主党・野田代表:
まさに、あんこが入ってないあんパンを出してきた。年金の協議、真剣にやりましょう。
石破首相:
もちろん真剣にやらせていただきます。
石破・野田両トップによるこの論戦から1週間後の27日、午後4時過ぎから公明党を交えた3党首会談を開催。
法案の修正案が大筋で合意されました。
石破首相:
本日の合意を踏まえ、年金改正法案の審議に引き続き真摯に対応し、法案の早期成立に努力してまいりたい。
合意内容の最大のポイントは、厚生年金の積立金を活用した基礎年金の底上げ措置。
現行の制度では、将来の基礎年金の給付額が長期にわたり低下する可能性が指摘されています。
そこで、基礎年金の底上げに厚生年金の積立金を活用。
4年後の財政検証で、その底上げを実際に行うか判断するなどの対応を法案の付則に明記します。
この底上げが実際に行われた場合、現行の制度とどれくらい給付額に違いがあるのかを厚労省が試算したグラフ。
現在40歳の女性が、65歳から平均寿命まで受給する場合のモデルケースで、295万円プラス。
就職氷河期世代に当たる50歳男性の場合でも170万円、現行制度よりプラスになるとしています。
一方で、現在63歳以上の男性や67歳以上の女性については現行より受給額がマイナスとなり、70歳男性では、総額で23万円目減りするとしています。
合意した修正案では、厚生年金の受給額が減る場合、緩和する対応をとることを法案の付則に明記するとしていますが、この試算でマイナスに該当するシニア世代に修正法案をどう思うか聞いてみると、「良くないですよね、それは。みんな積み立てしてきているのに減ってしまうっていうのは。なんのためにって思っちゃう」「今の状態だとお米も高いし、食べていけるのかなと。不安ですよね、不安だらけ」「反対…もう反対ですよ!1回うちに来てもらいたい。庶民がどんな生活しているか。夢も希望もないような生活」と、多くの人が怒りや疑問の声を上げていました。
一方、年金制度に詳しい専門家は、厚労省の試算も含め、現実的な制度改革だと一定の評価をしています。
社労士・渋田貴正さん:
若い世代からしたら将来のことで実感が湧かないとはいえ、得するんだろうなということで、国全体で見るとメリットのある制度改革なのかなという。
そのうえで、制度の実施には厚生年金の積立金以外にも税金による財源が必要で、その手当についての課題も挙げました。