富山県南砺市の山中で今月3日、山菜採りに訪れていた60代の男性がクマに出会い、思いがけず襲われた。「まさかクマが唸り声をあげながら襲ってくるとは。正直怖かった」と男性は当時の様子を振り返っている。
予期せぬ出会いから始まった1分間


被害があったのは南砺市小院瀬見の山中だ。男性が山菜を探していたところ、不意に体長およそ1メートルのツキノワグマに足を噛みつかれた。クマは唸り声をあげながらさらに襲ってきたという。


「クマの力は非常に強く、1センチほど噛まれてしまった。とにかく必死で抵抗するしかなかった。1分ほど格闘のような状態になった」 男性は左ふくらはぎに軽いけがを負ったが、その後クマは山の中へと去り、男性は自力で下山することができた。
対策をしていても油断は禁物
男性は山に入る際、爆竹などで音を出す対策をしていたが、それでもクマに出会ってしまった。「ホイッスルやラジオを持ち歩くなど、できる限りの対策が必要である。しかし、やはり一番安全なのは山に入らないことかもしれない」と話している。
クマに出会わないための工夫
これからの季節、山菜採りや登山で山に入る人も多い。クマと出会わないためのポイントを改めて確認したい。
- 鈴や笛、ラジオなどで音を出し、自分の存在を知らせる。
- 朝や夕方など、クマが活発になる時間帯は特に一人で行動しない。
- 頭を守るためにヘルメットを着用する。
- クマ撃退スプレーを持ち歩く。
もしクマに出会ってしまったら
万が一クマに出会った場合、次のことを覚えておきたい。これからの時期、クマは山だけでなく平野部にも現れることがある。
- クマから目を離さず、ゆっくりと後ずさりする。
- 背中を見せて走って逃げない(クマは逃げるものを追いかける習性がある)。
- 近くで出会った場合は、両手で頭や首を守り、うつ伏せになって身を守る。
今回の出来事は幸い大きなけがには至らなかったが、クマとの出会いは非常に危険である。山に入る際は十分な準備と注意を心がけ、安全を最優先にすることが重要である。男性の体験談は、自然の中で活動する際の大切な注意点を改めて教えてくれるものである。