『家庭教師のトライ』を運営する会社が、オンライン教材で「水俣病は遺伝する」と事実と異なる記述をしていた問題をめぐり、環境省や被害者団体が会社側に訂正を求めていたことが分かった。
トライグループがオンライン教材で誤情報
環境省などによると、『家庭教師のトライ』を運営するトライグループがオンラインで提供していた教材に、「水俣病が恐ろしいのは、遺伝してしまうことです」などと誤った情報を表記していたという。

環境省は、患者団体などでつくる水俣病被害者・支援者連絡会からの依頼を受けてトライグループに内容の訂正を要求。現在、教材の内容は削除され、閲覧できない状態になっているという。

また、水俣病被害者・支援者連絡会によると、連絡会は4月末にはこの問題を把握し、環境省に連絡するとともに、会社側に訂正を求めたという。
「水俣病に対する無理解に愕然とする」
水俣病被害者・支援者連絡会の事務局を務める元島市朗さんは「70年もたって、こういう水俣病に対する無理解があることについては、愕然とする」と話す。

トライグループはサイト上で「水俣病が遺伝するという事実はなく不正確な表現となったことをお詫びの上、訂正いたします」とのコメントを発表した。

水俣病は、チッソ水俣工場の排水に含まれていたメチル水銀に汚染された魚介類を食べたことで起こる中毒症で、遺伝することはない。
(テレビ熊本)