葬祭会社の調査で、20代の約4人に1人が遺言や墓準備など終活に取り組んでいるという結果に。背景には葬儀参列経験や将来への不安があるという。終活について相談できるカフェにも20代が訪問しており、終活弁護士は早くからの終活に「万が一の際、残された家族・遺族が困らない」などのメリットを上げている。
20代が60代よりも多く“終活”中
告別式やお葬式などを手掛ける会社が行ったアンケートで、衝撃の結果が出た。

なんと、20代の若い世代も、積極的に終活に取り組んでいることが分かったという。22日のテーマは「20代の4人に1人が“終活”中?ソレってどうなの」だ。
20代から70代の男女1500人を対象に行われた葬儀に対する意識や実態調査で、自分のお葬式を「してもらいたい」と答えた人は37.4%、「してもらいたくない」は62.6%という結果になった。

さらに、遺言書やお墓の準備、身の回りの品を整理する「終活」に取り組んでいると回答したのは24.6%。トップは70代だったが、意外なことに26.8%だった20代が、60代の25.2%よりも多かったという。
調査を行った株式会社ティアは、若者が葬儀や終活に関心を持つ理由について「近親者などの葬儀に参列した経験が、若者の葬儀や終活への関心を高めたのではないか」と話している。
“20代の若者の4人に1人が終活に取り組んでいる”というこの結果をどう思うか、街の方に聞いた。
60代:
親が80代なので、親が書いてる感じ。遺書とか。
取材班:
20代の4人に1人が終活。
60代:
えっ!なんで?娘(30代)に聞いてみます。20代でも結婚しない方も、お子さん産まない方もいる。ずっと一人という人生を考えると、そういうことがあるのかな。
70代:
え~信じられないわね!かわいそう。そういう準備を20代からするって考えられない。
実際の20代にも、終活をやっているか聞いてみた。
20代:
終活はしていない。周りでもしてる人は聞いたことない。
20代:
祖母が冗談交じりに「終活にこれやっておこうかな」と言ってて。(終活は)まだ考えてない。
20代:
未来明るいので。
取材班:
20代で終活については?
20代:
意外です。20代は若いと思う。人生の終わりまで見ているのは意外。
まだまだ身近ではないという若者が多い一方で、こんな人もいた。
20代:
友達が「もう疲れた終活しようかな」と。
20代:
何かあったときのために遺書を書いている友達は見たことある。
専門家「若くから終活するメリットも」
青井実キャスター:
金子さんは20代の終活、どう思いますか?

SPキャスター金子恵美さん:
私の周りの20代は意外と計画的な印象があるので、死までイメージして人生設計をしているのも納得するところがあるんです。ただ、もう疲れたってのは寂しい気持ちにはなりますね。
青井キャスター:
一方で、未来は明るいのでと答えてくれた人もいましたね。
SPキャスター金子恵美さん:
そういう前向きなことで人生設計するのはいいと思います。
番組では、終活についての悩み相談ができる場所を取材した。東京・足立区にある終活をコンセプトにしたカフェ「こうこう庵」だ。こちらでどのようなことができるのか、スタッフの方に聞いた。

こうこう庵 主任ケアマネージャー・藤田憂香さん:
終活に対してお墓やお葬式の相談、墓じまいの相談もあるが、終活にたどり着くまでの介護の相談も受けていて、多くの医療関係者や介護事業所の方も来てくれる。近隣の70~80代の方や、20~30代の方も来ている。
終活の相談以外にも、誰でも訪れることができる「道の駅」を目指しているという。
20代からの終活は少し早いような気もするが、若い時から終活するメリットはあるのだろうか。終活に詳しい弁護士の伊勢田さんに聞いた。
終活弁護士・伊勢田篤史氏:
メリットとしては2つあるのでは。①万が一の際、残された家族・遺族が困らない。②万が一の際、家族にしてほしくないことを防止できる。
まさかの時に後悔しない、終活にはそういう意味合いもあるのかもしれない。
(「イット!」5月22日放送より)