こちらは5月の大型連休中に鹿児島県阿久根市で開催され、約300人が参加したボクシングの強化合宿の様子です。

日本最大規模の「ボクシング合宿」と言われるまでに発展した理由とは。

薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「会場内では選手たちが真剣な表情で練習に打ち込んでいます」

5月の大型連休。阿久根市の武道館で県ボクシング連盟が開催したボクシング合宿です。

会場をいっぱいにつかい汗を流すのは学校やクラブ単位で参加した、小学生から高校生までの約300人。

2023年の鹿児島国体がきっかけで始まったこの合宿は、食事や宿泊など3日間の負担が一人約6000円です。

毎回、多くの選手と手合わせして技術を磨ける事や、複数のリングがある練習環境の良さが指導者の間に広まりました。

西日本を中心に年々参加者が増え、2025年は過去最多を更新して関係者の間では国内最大規模といわれるまでになりました。

合宿を前にした4月末、会場で鉄骨が組み立てられていました。

地元の高校生たちがボクシングリングの設営をしています。

会場には常設の公式リング以外に、合宿用として仮設リング3面が当日までに設置されました。

仮設リングの一つは、8年前に地元の鉄工所の協力で制作されたものです。

こうした手作り感あふれる温かみのある会場が、選手たちを向かえます。

鹿児島県ボクシング連盟・内園智雄副会長
「鹿児島国体より参加者の人数が多い。県連としても緊張感を持ちながら無事に終えたいという気持ちと、ボクシングの技術だけでなく、人的なものも広げてもらえれば」

合宿期間中、選手たちは午前6時半にロードワークからスタート。午前9時半から昼食休憩をはさんで午後5時までの間、スパーリングに打ち込みます。

こうやって各県の強豪選手と対戦できる事が選手の間で好評です。

佐賀県から参加
「対戦したことが無い選手たちと駆け引きとかでパンチの当て合いが楽しい。この合宿で得た技術や体力面を生かし、試合で圧倒できるように勝ちたい」

宮崎県から参加
「自分のレベルがまだまだなので、そこを修正してやっていきたい。(相手)選手の対策や戦術とかを色々知られるので良い」

指導者にとっても、これ程の規模の合宿は他になく、情報交換の貴重な機会となっています。

日章学園中学・高校(宮崎)ボクシング部・秋吉健志郎監督
「この時期は実践練習が必要、様々な選手と拳を合わせることができる貴重な合宿。成果をしっかり出し(相手に)食い下がれるように頑張りたい」

厳しい合宿の間、楽しみの一つが食事です。

期間中は阿久根市のケータリング業者が届けていて、食の面でも地元の協力は欠かせません。

食事を準備する地元業者
「1~2週間前から準備している。個数があるので、それに合わせて調整したり。子供たちに頑張ってほしい。貢献したい」

また、選手たちは地域の公民館などに分散して宿泊し、そこから練習会場へと通います。

寝食を共にした集団生活もトレーニングです。

一方、開催地となっている阿久根市は地元のボクシング振興に協力するため、先ほどの仮設リングの制作資金を援助する支援を行っています。

阿久根市教育委員会 スポーツ推進課・寺地英兼課長
「まさか、ここまで大きくなるとは想像していなかった。少なからず経済効果は大きい。地域の公民館に宿泊している事を考えれば、ボクシングを盛り上げていく環境ができつつある」

地元の協力と共に根付いたボクシング合宿。

全国のボクサーたちが集い、阿久根市が活気づく大型連休恒例のイベントに成長しました。

この合宿ですが、既に2026年も5月の大型連休期間に実施が予定されているということです。

鹿児島テレビ
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