高止まりするガソリン価格の抑制を目的に5月22日から始まった「定額補助制度」。
早くも福岡県内のガソリンは安くなっているのか?
気になる価格を調査しました。
◆記者リポート
「那珂川市のガソリンスタンドです。給油をする車が次々に入っていきます」
22日午前9時半すぎ、那珂川市のガソリンスタンドに訪れた人からこんな声がー。
◆来店客
「待ってました」
Q.待ってましたか!
「待ってました!」
女性が待っていたのは、22日からスタートしたガソリンの「定額補助制度」です。
この店のレギュラーガソリン1リットルあたりの価格は税抜きで156円ですがー
◆セルフステーション那珂川 岡部智也 店長
「きのうより5円下がりましたね。きのうまでは161円(税抜)でさせてもらってましたね」
21日まで161円(税込177円)だった価格を、22日から156円(税込171円)に。
制度の開始にあわせて、“5円の値下げ”に踏み切りました。
Q.5円の値下げ
◆来店客
「大きいです。必ず満タンにして帰ります。きょうも満タン!」
◆来店客
「5円って大きいでしょう。1リットル5円でしょ?やっぱり5円違うとすごく安く感じますね」
しかし、店長にはこんな葛藤が…。
◆セルフステーション那珂川 岡部智也 店長
「お客様から『下がったね』と嬉しい声が聞けるので良いんですけど、実際この店側としては『そうでもない』っていうのが正直な感想ですね」
22日から政府が始めたガソリンの「定額補助制度」。
22日から1週間はレギュラーガソリン1リットル当たり「5円」の補助を行い、段階的に金額を増やし、6月末には上限の「10円」を補助するというものです。
ところが、補助の対象はガソリンスタンドではなく、石油の「元売事業者」。
そのため、小売り価格に反映されるのは2~3週間かかるということですが、この店では元売事業者からの還元を見通して、22日からの値下げを決めました。
◆セルフステーション那珂川 岡部智也 店長
「(価格が)190円、180円の時でもずっと来てくださったお客様もいるので、そういった方に少しでも還元できるようにと思って、当社は5円下げさせていただきました」
この「定額補助制度」のスタートについて、街の人はー。
◆街の人
「値下げしてくれるのは嬉しいよね。もちろん。消費者はね」
◆街の人
「ずっと安くなるんなら嬉しいですけど、また高くなるなら嫌だなと」
◆街の人
「たぶん10円だとそんなに体感としてはあんまりないかな。前のガソリン代ぐらいまで戻ってほしいです。150円ぐらい」
では、ほかのガソリンスタンドの価格はどうなっているのか。
福岡市中央区の店舗を調べてみると…
◆記者リポート
「薬院のガソリンスタンドです。レギュラーガソリン価格は185円です」
那珂川市の店舗より15円ほど高い価格設定。
一方で…
◆記者リポート
「ここは172円ですね」
170円台前半の店舗もありました。
結局、中央区内の10店舗を調べた結果、最も高い店舗が195円(税込)。
最安値は169円(税込)。
平均小売価格は179.7円(税込)でしたが、店舗によって差が出る結果となりました。
定額補助制度の開始で価格が高い店舗も、今後安くなるのでしょうかー。
◆石油情報センター 橋爪吉博 事務局長
「徐々にではありますけど、5円程度値下がりするのは間違いないという理解でいいと思います。きょうはとりあえず5円ということなんですけど、来週以降1円ずつ補助金が増えていく格好になっているので、7月、8月の段階では10円下がっているということになり、現状と比べて10円下がっていると思います」
定額の補助金制度が始まりましたが、実はガソリン価格の内訳で大きいのが税金です。
福岡県内の最新のガソリン小売価格、1リットルあたり181円を元に計算してみると、まず、ガソリンの本体価格が108円。
一方、ガソリン税は本来の税率が28.7円で、それとは別の上乗せ分、いわゆる暫定税率が25.1円となっています。
暫定税率については、去年12月に自民・公明・国民民主の幹事長間で「暫定税率を廃止する」と合意したわけですが、一向に実現されず、国はガソリン価格の「定額補助」に舵を切った、という流れです。