若者の街、東京・渋谷が鹿児島一色に染まった。
「渋谷・鹿児島おはら祭」。暑さの中、2000人を超える踊り手たちが鹿児島の民謡「おはら節」に「ハンヤ節」そして「渋谷音頭」を踊り、文字通りの熱気に包まれた。
渋谷のメインストリートが“鹿児島になる”一日
2025年5月18日、恒例の渋谷・鹿児島おはら祭が盛大に開催された。「おはら祭」とは鹿児島市で1949年から続く祭り。毎年11月に、市内の繁華街・天文館を中心とする一帯で、「おはら節」「ハンヤ節」などを踊って盛り上がる。
その熱気がそのまま東京に持ち込まれた「渋谷・鹿児島おはら祭」。渋谷を代表する商業施設のひとつ「109」を中心に、左側の「道玄坂」と右側の「文化村通り」を封鎖。上空から見るとV字型のコースで62の踊り連、2000人以上が踊った。「踊り連」とは高校の同窓会や各地の鹿児島県人会などで構成されるグループを指す。


鎌倉時代から続く渋谷と鹿児島の縁
実は渋谷と鹿児島のつながりは古く、鎌倉時代に渋谷の豪族が鹿児島に移住したことに始まるとされている。その絆を強めようと、1998年から始まったのが渋谷・鹿児島おはら祭。2025年で28回を数える。



「東京鶴丸連」のプラカードをみつけた。関東在住の高校同窓生による踊り連で祭りの常連だ。女性の参加者は「(参加するのは)13~14回目。同窓会で出ている。楽しいです!」と笑顔。


まといを打ち振り、おそろいの法被姿の踊り連も。記者の質問に鹿児島弁で「鹿児島市の消防団です」との答え。「鹿児島から来て、きょう一泊してあした帰る。このために来た?そうです!」。地元・鹿児島からの参加者もいるのだ。

“地元”渋谷の踊り連もキレッキレのダンスを披露
一方、オリジナルダンスでキレッキレのパフォーマンスを展開する踊り連も。どんな集まりなのかと尋ねると「渋谷の街の人、企業の人たちが集まってできたチーム。渋谷と鹿児島の関係があって、渋谷でおはら祭が行われるので、渋谷からも盛り上げようと作った」とのこと。渋谷の街にこの祭りがすっかり浸透していることを感じさせた。


外国人も「アメージング!」 食と焼酎のイベントも
渋谷は多くのインバウンド観光客が訪れる街。見物する人の中には外国人の姿も多く、鹿児島ならではの文化を知ってもらえる機会にもつながっているようだ。沿道で見学していた外国人は「ファンタスティック!アメージング!日本に来て1カ月間で見た中で最高だった」と、感動していた。

盛り上がったのは踊りの会場だけではない。会場周辺では、若い人にも鹿児島の文化に親しんでもらおうと、ライブ演奏を楽しみながら鹿児島の食と焼酎を楽しめるイベントも開催された。


東京・渋谷の街が鹿児島一色に染まった一日。
鹿児島県出身者にとどまらず、祭りを楽しむ多くの人たちでにぎわいをみせていた。
(鹿児島テレビ)